司法書士の過去問
令和3年度
午前の部 問6

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問題

令和3年度 司法書士試験 午前の部 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

消滅時効に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア  不法行為に基づく損害賠償請求権は、不法行為の時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。
イ  債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する。
ウ  確定判決によって確定した権利であって、確定の時に弁済期の到来している債権については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年となる。
エ  人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。
オ  債務者は、消滅時効完成前に時効の利益を放棄することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

ア…正しいです。不法行為に基づく損害賠償請求権は、不法行為の時から20年間行使しないときは、時効によって消滅します(724条2号)。

イ…誤りです。債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から、「5年間」行使しないときは、時効によって消滅します(166条1項1号)。また、「権利を行使できるとき」から、10年間行使しないときも、時効によって消滅します(同項2号)。

ウ…正しいです。確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とされます。ただし、それには確定の時に弁済期が到来していることが必要です(169条1項、2項)。

エ…誤りです。人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者または法定代理人が、損害および加害者を知ったときから「5年間」行使しないときは、時効によって消滅します(724条の2)。

オ…誤りです。時効の利益をあらかじめ放棄することはできません(146条)。時効の利益の放棄を強制されたりするなど、債務者が不利な事態に陥るのを防ぐためです。

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02

ア 〇 724条がそのまんまの肢です。条文を熟読しておきましょう。

なお、被害者又は法定代理人が損害および加害者を知ったときから3年間行使しないときも時効により消滅します。

724条の2も併せて押さえておきましょう。

めんどくさいようですが、条文を引くのが合格への一番の近道です。

イ × 10年ではありません。5年です。

166条を読みましょう。

債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅します(166条1項1号)。

167条も併せて押さえておきましょう。

ウ 〇 本肢も条文知識です。

169条を熟読しましょう。

確定判決によって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年となる。(民法169Ⅰ)。

エ × 本肢のキーワードは「人の生命又は身体」です。

「人の生命又は身体」のキーワードを見つけたら時効期間は3年から5年に伸びると覚えてください。

724条の2を熟読してください。めんどくさいようですがいちいち自分で条文を引くことで力がつきます。

オ × 時効完成前に時効の利益の放棄はすることができません。(民法146)

なお、相続放棄などあらかじめできないものばかりではありますが、唯一あらかじめできるものは、遺留分の放棄です。

併せて1049条も押さえておきましょう。

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03

正解 1

ア 正しい

不法行為による損害賠償請求権は、不法行為の時から20年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条2号)。

イ 誤り

債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法166条1項1号)。

ウ 正しい

確定判決によって確定した権利は、確定の時に弁済期が到来している場合には、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その期間は、10年となります(民法169条1項・2項)。

エ 誤り

人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条の2)。

オ 誤り

時効の利益は、あらかじめ放棄することはできません(民法146条)。

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