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司法書士の過去問 令和3年度 午前の部 問12

問題

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権利質に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せはどれか。

ア  質権の目的である金銭債権の弁済期が到来したときは、質権者は、被担保債権の弁済期の到来前であっても、質権の目的である金銭債権を直接取り立てることができる。
イ  権利質は、質権者自身に対する債権をその目的とすることができない。
ウ  債権の目的物が金銭でないときは、その債権を目的とする質権を有する質権者は、弁済として受けた物について質権を有する。
エ  当事者が譲渡を禁止する旨の意思表示をした債権を目的とする質権の設定は、その意思表示がされたことを質権者が知っていたときは、無効である。
オ  AがBのためにCに対する債権を目的とする質権を設定し、Cに確定日付のある証書によってその通知をしたときは、Bは、その後にこの債権を差し押さえたAの他の債権者に対し、質権の設定を対抗することができる。
   1 .
アイ
   2 .
アエ
   3 .
イウ
   4 .
ウオ
   5 .
エオ
( 令和3年度 司法書士試験 午前の部 問12 )
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この過去問の解説 (3件)

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ア × 本肢は、直接取り立てることができるとする点が誤っています。

質権者は、質権の目的である債権を直接取り立てることができるのが原則ですが、

質入れ債権の目的物が金銭である場合、質入れ債権の弁済期が到来しても、質権の被担保債権の弁済期が到来するまでは、質権者は第三債務者に対して直接取り立てることはできません。

その代わりに供託を求めることができます。

(民法366Ⅰ 366Ⅲ)

イ × 少々わかりづらい肢ですが、具体例を挙げればご理解いただけると思います。

質権者自身に対する債権も質権の目的とすることができます。(大判昭和11.2.25)

上記の具体例として、

銀行の定期預金者が、その預金を担保として銀行から借り入れをすることができます。

よって本肢は、質権者自身に対する債権をその目的とすることができないとする点が誤っています。

ウ 〇  債権の目的物が金銭でないときは、質権者は、弁済として受けた物について質権を有する(民法366Ⅳ)

条文知識そのままの肢です。

エ × 原則として、譲渡を禁止する旨の意思表示をした債権を目的とする質権の設定は、その効力が妨げられることはありません。

つまり、譲渡禁止の特約のある債権であっても質権の設定は可能です。

よって、質権者が譲渡禁止の特約ある債権であることを知っていたときであっても、当該債権を目的とする質権は有効に成立します。

なお、質権者が譲渡制限の意思表示について悪意又は重過失であれば第三債務者は履行拒絶権が付与されます。

本肢は、無効であるとする点が誤っています。

オ 〇 債権を目的とする質権の設定は、第三債務者にその質権の設定を確定日付のある証書により通知し、又は第三債務者がこれを確定日付のある証書により承諾をすれば、第三者に対抗できる。(民法364・467Ⅱ)

よって、Bはその後に債権を差し押さえたAの他の債権者に対し質権の設定を対抗できます。

付箋メモを残すことが出来ます。
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正解 ウオ

選択肢4. ウオ

ア 誤り

債権の目的物が金銭である場合において、債権の弁済期が質権者の債権の弁済期前に到来したときは、質権者は、第三債務者にその弁済をすべき金額を供託させることができます(民法366条3項)。

本肢のように、被担保債権の弁済期到来前に、質権の目的である金銭債権を直接取り立てることはできません。

イ 誤り

判例(最判昭40年10月7日)は、質権者自身に対する債権を質権の客体とすることができることを前提としています。

ウ 正しい

債権の目的物が金銭でないときは、質権者は、弁済として受けた物について質権を有します(民法366条4項)。

エ 誤り

債権譲渡において、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができます(民法366条3項)。

よって、譲渡を禁止する旨の意思表示をした債権を目的とする質権の設定は、その効力が妨げられないことはもちろんのこと、その意思表示がされたことを質権者が知っていたときは、債務者において履行を拒むことができるに過ぎません。

オ 正しい

債権譲渡の対抗要件の通知は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができません(民法467条2項)。

本肢では、譲渡人であるAが債務者であるCに対し、確定日付のある証書によって通知をしているため、Bは、その後にこの債権を差し押さえたAの他の債権者に対し、質権の設定を対抗することができます。

5

正解は ウ オ です。

選択肢4. ウオ

ア…誤りです。質権の目的である金銭債権の弁済期が到来しても、被担保債権の弁済期の到来前である場合には、権利質権者は、質権の目的である金銭債権を直接取り立てることはできません(336条3項)。質権の目的とする金銭債権と、被担保債権の両方の弁済期が到来している場合にのみ、直接取り立てることができます。

イ…誤りです。権利質は、債権や株式などの財産権を目的とするものですが(362条1項)、質権者自身に対する債権を除外する規定はありません。

ウ…正しいです。質権者の債権の目的が金銭でないときは、質権者は、弁済として受けた物について質権を有します(366条4項)。

エ…誤りです。当事者が譲渡を禁止または制限する旨の意思表示(以下、譲渡制限の意思表示)をしただけでは、当該債権は、譲り渡すことができない債権とはいえませんので、質権の目的となりえます(362条2項、343条、466条2項)。ただし本問のように、譲渡制限の意思表示をした場合、当該債権を目的とする権利質権の設定は、質権者が当該譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、債務者は、「その債務の履行を拒む」ことができます(466条3項)。

オ…正しいです。債権を目的とする質権の設定は、第三債務者にその質権の設定を通知し、または第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗できません(364条)。

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