問題
ア Aは、B所有の腕時計を窃取したが、その後、犯行の発覚を恐れ、当該腕時計を自宅で保管していた。この場合において、Aには、窃盗罪に加えて盗品等保管罪が成立する。
イ Aは、Bから、BがCから窃取した壺を被害者であるCに買い取らせることを持ちかけられ、当該壺が盗品であることを知りながら、これに応じ、Cと交渉の上、Cに当該壺を買い取らせた。この場合において、Aには、盗品等有償処分あっせん罪が成立する。
ウ Aは、Bが窃取した宝石であることを知りながら、Bからこれを譲り受け、Cは、当該宝石がBが窃取した盗品であることを知りながら、Aから頼まれて、これを自動車で運搬した。この場合において、AとCとの間に婚姻関係があり、BとCとの間には刑法第257条第1項所定の関係がないときは、Cには、盗品等運搬罪が成立するが、その刑が免除される。
エ 公務員であるAは、その職務に関し、Bが窃取した自動車であることを知りながら、Bからこれを賄賂として無償で収受した。この場合において、Aには、収賄罪と盗品等無償譲受け罪が成立し、両罪は観念的競合の関係に立つ。
オ Aは、Bから頼まれて盗品とは知らずに自動車を保管することとし、保管を始めて数か月間が経過した時点で、当該自動車はBが窃取した盗品であると知るに至ったが、Bによる窃盗の犯行の発覚を防ごうと考え、その後もBのためにその保管を継続した。この場合において、Aには、盗品等保管罪は成立しない。