司法書士の過去問
令和3年度
午前の部 問30
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問題
令和3年度 司法書士試験 午前の部 問30 (訂正依頼・報告はこちら)
会計参与設置会社に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア 会計参与は、株主総会において、会計参与の解任について意見を述べることができる。
イ 指名委員会等設置会社の会計参与は、執行役と共同して、計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を作成する。
ウ 監査役が二人以上ある監査役設置会社の取締役は、会計参与の報酬等に関する定款の定め又は株主総会の決議がない場合であっても、監査役の過半数の同意を得て、会計参与の報酬等を定めることができる。
エ 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、会計参与報告を提供しなければならない。
オ 会計参与は、法定の期間、当該会計参与が定めた場所に各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告を備え置かなければならない。
ア 会計参与は、株主総会において、会計参与の解任について意見を述べることができる。
イ 指名委員会等設置会社の会計参与は、執行役と共同して、計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を作成する。
ウ 監査役が二人以上ある監査役設置会社の取締役は、会計参与の報酬等に関する定款の定め又は株主総会の決議がない場合であっても、監査役の過半数の同意を得て、会計参与の報酬等を定めることができる。
エ 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、会計参与報告を提供しなければならない。
オ 会計参与は、法定の期間、当該会計参与が定めた場所に各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告を備え置かなければならない。
- アウ
- アオ
- イエ
- イオ
- ウエ
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この過去問の解説 (3件)
01
ア 〇 会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができます。(会社345)
イ 〇 指名委員会等設置会社において、会計参与は、執行役と共同して、計算書類及びその付属明細書、臨時計算書類並び連結計算書類を作成することができます。(会社374)
ウ × 会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定めます。(会社379)
会計参与も取締役の味方なのでお手盛り防止の観点から、内内で報酬を定めることはできません。
ちなみに、会計監査人の報酬は取締役が決定します。(唯一の例外のような規定なので覚えておきましょう。)
エ × 取締役会設置会社の取締役は、定時株主総会の招集通知に際して、株主に対し、取締役会の承認を受けた計算書類及び、事業報告を提供しなければなりません。(会社437)
しかし、定時株主総会の招集通知に際して、株主に対し会計参与報告を提供しなければならない旨の規定はありません。
なぜなら、会計参与は税理士です。
つまり、専門家が作成した難しい書類を素人の株主が閲覧しても分からないだろう。ということです。
オ 〇 会計参与は、各事業年度に係る計算書類及びその付属明細書並びに会計参与報告を、定時株主総会の日の1週間(取締役会設置会社は2週間)前の日から5年間は会計参与が定めた場所に備え置かなければなりません。(会社378)
ちなみに、株主総会議事録の備置き期間は、本店は株主総会の日から10年間、支店は議事録の写しを5年間とされています。(会社法318条)
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02
正解 5
ア 正しい
会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができます(会社法345条1項)。
イ 正しい
指名委員会等設置会社の会計参与は、執行役と共同して、計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を作成することとされています(会社法374条1項、同6項)。
ウ 誤り
会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定められます(会社法379条1項)。
また、会計参与が2人以上ある場合において、各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、総会決議による報酬等の範囲内において、会計参与の協議によって定めることとされています(会社法379条2項)。
エ 誤り
取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、取締役会の承認を受けた計算書類及び事業報告を提供しなければなりませんが(会社法437条)、会計参与報告を提供する必要はありません。
オ 正しい
会計参与は、各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告を、定時株主総会の日の1週間(取締役会設置会社にあっては、2週間)前の日から5年間、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければなりません(会社法378条1項1号)。
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03
正解は5です。
ア…正しいです。会計参与は、株主総会において、会計参与の選任もしくは解任または辞任について意見を述べることができます(会社法345条1項)。
イ…正しいです。指名委員会等設置会社における会計参与は、執行役と共同して、計算書類およびその附属明細書、臨時計算書類ならびに連結計算書類を作成しなければなりません(会社法374条1項、6項)。
ウ…誤りです。会計参与の報酬等は、定款に定めがないときは株主総会の決議によって定められます(会社法379条1項)。また、会計参与が2名以上いる場合で、かつ各会計参与の報酬等につき定款・株主総会の決議いずれも存在しないときは、会計参与の報酬等として定められた範囲内で、各会計参与の報酬を会計参与の協議によって定めることができます(会社法379条2項)。監査役や取締役が会計参与の報酬等の総額または内訳を定めることはできません。
エ…誤りです。会計参与報告は、計算書類等の作成の過程などを示すものであり(会社法施行規則102条各号)、株主総会への提出義務がなく、必要に応じて株主および債権者もしくは親会社の社員が閲覧・交付の請求をします(会社法378条2項、3項)。なお、取締役会設置会社においては、取締役は、株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、取締役会の承認を受けた「計算書類および事業報告(および、監査報告または会計監査報告)」を提出しなければなりません(会社法437条)。
オ…正しいです。会計参与は、当該会計参与が定めた場所に、各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告を、定時株主総会の日(または、書面による株主総会の同意提案がされた日)の1週間前(取締役会設置会社にあっては、2週間前)から5年間の間、据え置かなければなりません(会社法378条1項1号、会社法施行規則103条)。この設置場所は閲覧・交付請求を行う株主および債権者に知らせる必要があるため、登記事項となっています(会社法911条3項16号)。
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