司法書士の過去問
令和3年度
午後の部 問42
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
令和3年度 司法書士試験 午後の部 問42 (訂正依頼・報告はこちら)
民事執行に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 不動産に対する強制執行については、その所在地を管轄する地方裁判所のほか、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
イ 不動産に対する強制執行の方法は、強制競売と強制管理とがあり、これらの方法は併用することができる。
ウ 金銭債権を差し押さえた債権者は、他の債権者が当該金銭債権を差し押さえた場合には、第三債務者に対して取立訴訟を提起することができない。
エ 不作為を目的とする債務で代替執行ができないものについては、間接強制の方法により、強制執行を行うことができる。
オ 仮執行の宣言を付した判決に係る請求権の存在又は内容について異議のある債務者は、その判決が確定する前後を問わず、その判決による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起することができる。
ア 不動産に対する強制執行については、その所在地を管轄する地方裁判所のほか、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
イ 不動産に対する強制執行の方法は、強制競売と強制管理とがあり、これらの方法は併用することができる。
ウ 金銭債権を差し押さえた債権者は、他の債権者が当該金銭債権を差し押さえた場合には、第三債務者に対して取立訴訟を提起することができない。
エ 不作為を目的とする債務で代替執行ができないものについては、間接強制の方法により、強制執行を行うことができる。
オ 仮執行の宣言を付した判決に係る請求権の存在又は内容について異議のある債務者は、その判決が確定する前後を問わず、その判決による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起することができる。
- アウ
- アエ
- イエ
- イオ
- ウオ
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
ア…誤りです。不動産に対する強制執行については、その所在地を管轄する地方裁判所、またはその登記をすべき地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄します(民事執行法44条1項)。なお、金銭債権等に対する強制執行については、本問で示されたような管轄となります(民事執行法144条1項、2項)。
イ…正しいです。不動産に対する強制執行は、強制競売または強制管理の方法によって行い、これらの方法は併用することができます(民事執行法43条1項)。
ウ…誤りです。金銭債権を差し押えた債権者は、第三債務者に対する訴状の到達の時までに、他の債権者が当該金銭債権を差し押さえた場合でも、第三債務者に対して取立訴訟を提起することができます。この場合、第三債務者の申立てがあれば、受訴裁判所は、差押えを行った債権者を共同訴訟人として原告に参加すべきことを命ずることができます(民事執行法157条1項)。
エ…正しいです。作為または不作為を目的とする債務で代替執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が債務者に対し、債務の履行を確保するための一定額の金銭を債権者に支払うよう命ずる方法(いわゆる間接強制)により行います(民事執行法172条1項)。
オ…誤りです。債務名義に係る請求権の存在または内容について異議のある債務者は、その債務名義による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起することができますが(民事執行法35条1項)、この訴えは、確定後の債務名義にのみ起こすことができます(同項かっこ書)。
参考になった数20
この解説の修正を提案する
02
ア × 不動産執行については、その所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄します。(民執44Ⅰ)
民事保全の管轄と比較して押さえておきましょう。
イ 〇 不動産執行は、不動産の強制競売の方法と強制管理の方法を併用して行うことができます。(民執43Ⅰ)
そして、双方を申し立てたときは、手続きが同時進行しますが、強制競売により売却が終了し、所有権が競落人に移転すれば、強制管理の効力が消滅します。
ウ × 差押債権者が第三債務者に対し取立訴訟を提起した時は、受訴裁判所は、第三債務者の申し立てにより、他の債権者で訴状の送達の時までにその債権を差押えたものに対し、共同訴訟人として原告に参加すべきことを命ずることができます。(民執157Ⅰ)
よって、他の債権者の差押えがあったとしても取立訴訟を提起できます。
エ 〇 間接強制は作為又は不作為を目的とする債務で代替執行ができないものについての強制執行です。(民執172Ⅰ)
つまり、「営業を禁止しないと一日当たり10万円の罰金を払っていただきますよ。」という具合です。
オ × 債務名義に係る請求権の存在又は内容について異議のある債務者は、その債務名義による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起することができます。(民執35Ⅰ)
そして、仮執行宣言付き判決はその確定後でなければ請求異議の訴えは認められません。
なぜなら、まだ未確定の状態だから、上訴の提起、又は異議申し立てによって争う機会があるからです。
参考になった数9
この解説の修正を提案する
03
正解 3
ア 誤り
不動産に対する強制執行については、その所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄します(民執法44条1項)。
イ 正しい
不動産に対する強制執行の方法には、強制競売と強制管理とがあり、これらの方法は併用することが可能です(民執法43条1項)。
ウ 誤り
金銭債権を差し押さえた債権者が第三債務者に対して取立訴訟を提起したときは、受訴裁判所は、第三債務者の申立てにより、他の債権者で訴状の送達時までにその債権を差し押さえた者に対し、共同訴訟人として原告に参加すべきことを命ずることができます(民執法157条1項)。
エ 正しい
不作為を目的とする債務で代替執行ができないものについては、間接強制の方法により強制執行を行うことができます(民執法172条1項)。
オ 誤り
債務名義に係る請求権の存在または内容について異議のある債務者は、その債務名義による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起することができます(民執法35条1項)。
もっとも、仮執行の宣言を付した判決で確定前のものは、ここでいう債務名義から除かれています(同項括弧書き)。
参考になった数5
この解説の修正を提案する
前の問題(問41)へ
令和3年度問題一覧
次の問題(問43)へ