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司法書士の過去問 令和3年度 午後の部 問56

問題

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抵当権の設定の登記の抹消の申請に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア  第1順位で設定の登記がされている抵当権が被担保債権の弁済により消滅したときは、第2順位で設定の登記がされている抵当権の登記名義人は、第1順位の抵当権の登記名義人と共同して、当該第1順位の抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることができる。
イ  抵当権の登記名義人が当該抵当権の目的である不動産を取得し、当該抵当権が混同により消滅したため、当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をするときは、当該抵当権の設定の登記が完了した際に通知された登記識別情報を提供することを要しない。
ウ  抵当権の登記名義人である株式会社について清算結了の登記がされている場合において、その後、当該株式会社の清算人として登記されていた者が、当該抵当権を放棄したときは、当該清算人として登記されていた者を登記義務者として、当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることができる。
エ  抵当権の登記名義人である株式会社について清算結了の登記がされており、かつ、当該株式会社の清算人として登記されていた者全員の所在が不明である場合であっても、不動産登記法第70条第3項後段の規定による当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることはできない。
オ  登記義務者の所在が知れないため不動産登記法第70条第3項後段の規定による権利に関する登記の抹消の申請をする場合において、当該権利が抵当権であるときは、当該抵当権の被担保債権の元本及び最後の2年分についての遅延損害金に相当する金銭を供託したことを証する情報を提供して、当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることができる。
   1 .
アエ
   2 .
アオ
   3 .
イウ
   4 .
イエ
   5 .
ウオ
( 令和3年度 司法書士試験 午後の部 問56 )
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この過去問の解説 (3件)

7

ア 〇 先順位の抵当権が被担保債権の弁済によって消滅した場合、後順位の抵当権者は、登記権利者として、登記義務者である先順位の抵当権者と共同して先順位抵当権の登記の抹消を申請することができます。

ちなみに、後順位の抵当権者は、先順位の抵当権の消滅時効を援用することができません。併せて押さえておきましょう。

イ × 混同を登記原因とする抵当権の登記の抹消を申請する場合において、登記権利者及び義務者が同一であっても、(実質は単独申請)登記識別情報の提供が必要です。

ちなみに、単独申請でも登記識別情報提供が必要な場合は以下の3つです。

1.保存登記の抹消

2.自己信託

3.仮登記名義人による仮登記の抹消

併せて押さえておきましょう。

ウ × 抵当権の登記名義人である株式会社について清算結了の登記がされた後、当該抵当権が弁済その他の事由により消滅した場合、すでにされた清算結了の登記を抹消し、当該株式会社を復活させた上で、当該株式会社を代表する清算人を登記義務者として抵当権設定登記の抹消申請をすることができます。なぜなら、清算事務が完全に終了していなかったからです。

逆に、抵当権が事実上消滅していたが、抵当権設定登記の抹消申請をしないうちに、抵当権の登記名義人である株式会社について清算結了の登記がされた場合、清算結了の登記を抹消することなく、清算人として登記されていた者を登記義務者として、当該抵当権の設定の登記を申請することができます。

エ 〇 法人は行方不明にはなりませんが、所在不明になります。

そして、法人の所在不明とは、当該法人について登記記録に記録がなく、かつ、閉鎖した登記記録も保存期間が経過して保存されていないためその存在を確認することができない場合のことです。

よって、登記義務者である抵当権の登記名義人が株式会社の場合、当該株式会社について清算の結了がされているときは、当該株式会社の存在を確認することができるため、清算人として登記されていた者全員の所在が不明であっても、不動産登記法70条3項後段の規定による当該抵当権の設定の登記の抹消申請をすることができません。

オ × 本肢を一言でまとめると、全額に相当する金銭を供託しないと抹消申請できません。

抵当権の登記名義人の所在が知れないため、抵当権設定者が単独で抵当権の抹消登記を申請する場合、弁済期から20年を経過した後に被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたことを証する情報を提供しなければなりません。

よって、当該抵当権の被担保債権の元本及び最後の2年分についての遅延損害金に相当する金銭を供託したのみでは当該抵当権の抹消登記を申請できません。

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7

正解 1

ア 正しい

先順位の抵当権が消滅したときは、後順位抵当権者を登記権利者として、先順位抵当権者との共同申請により抵当権の抹消を申請することができます(登研244 P.69)

イ 誤り

先例(平2.4.18 民三1494号)は、「混同を登記原因とする抵当権の抹消登記を申請する場合、登記権利者と登記義務者が同一人となるが、登記義務者の権利に関する登記識別情報の提供を要する。」としています。

ウ 誤り

決算結了前に債務が履行されていれば、便宜的に決算結了の登記を抹消せず、法人の旧清算人と抵当権設定者とで抵当権の抹消登記を申請しても差支えありません(登研24 P.25)。

本肢の場合、決算結了の登記後に旧清算人が抵当権を放棄しているため、旧清算人と抵当権設定者とで抵当権の抹消登記を申請する便宜的な扱いは認められません。

エ 正しい

先例(昭63.7.1 民三3456号)は、法人の「行方不明」について、「当該法人について登記簿に記載がなく、かつ、閉鎖登記簿が廃業済みであるため、その存在を確認することができない場合等をいう。」としています。

本肢の場合、当該株式会社について決算結了の登記がなされており、決算結了時の会社の存在を確認することができるため、法人の「行方不明」には該当しません。

したがって、不登法70条3項後段の規定による登記の抹消を申請することはできません。

オ 誤り

登記権利者は、登記義務者の所在が知れないため登記義務者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは、被担保債権の弁済期から20年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息および債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭を供託したときは、単独で登記の抹消を申請することができます(不登法70条3項)。

3

ア ○

第2順位の抵当権者は第1順位の抵当権者の抹消登記の登記権利者になります。

よって、登記義務者である第1順位の抵当権者と共同して第1順位の抵当権の抹消登記を申請することができます。

イ ×

まず混同とは、民法179条によると「同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。」とあります。

混同により所有権抹消登記をする場合は登記識別情報は必要です。

登記権利者と登記義務者がたまたま同じ人ですが、これは共同申請という扱いだからです。

ウ ×

清算結了の登記がされていて、その後抵当権の抹消登記をするという問題です。

このように清算結了の登記がすでにされている場合は、まず清算結了の登記を錯誤で抹消し、当該会社を清算中の会社として復活させてから、「当該清算人として登記されていた者」ではなく、「会社」を登記義務者として設定し、抵当権の抹消登記を申請することになります。

エ ○

会社に対して清算結了の登記がなされていて抵当権抹消登記を申請したい場合は、閉鎖登記簿謄本を取得することが必要です。

しかし、この問題では登記されていた者の所在が不明ということは閉鎖登記簿謄本が廃棄されているので抵当権抹消登記をすることはできません。

オ ×

登記名義人が所在不明で抵当権の登記抹消の申請をする場合は、元本及び最後の2年分の遅延損害金ではなく、元本及び遅延損害金全額を供託しなければなりません。

抵当権抹消登記がなされていないまま登記記録が残っている抵当権を休眠抵当権といいます。休眠抵当権の抹消登記は供託をすれば単独申請できるとされています。

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