司法書士の過去問
令和3年度
午後の部 問61
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問題
令和3年度 司法書士試験 午後の部 問61 (訂正依頼・報告はこちら)
司法書士法務律子は、令和3年6月21日、登記記録に次のような記録(抜粋)がある甲土地の所有権の登記名義人である甲山由紀及び甲区2番で登記された仮登記の関係者である丙野健二から、次のとおりの事情を聴取し、登記申請の依頼を受けた。依頼に係る全ての登記申請に必要となる登録免許税の合計の額として正しいものはどれか。
なお、甲土地の不動産の価額は500万円とし、甲土地の権利部(乙区)の登記記録はないものとする。また、複数の申請方法が考えられる場合は登録免許税の額の合計が最も低額となるように申請するものとし、登録免許税の額の計算に当たり、租税特別措置法等の特例法による税の減免の規定の適用はないものとする。
<甲山由紀から聴取した内容>
「昨年4月に父である甲山一郎が亡くなったときは、登記の名義変更でお世話になりました。先生に登記の依頼をした後、私は令和2年6月19日にC市D町200番地に住所を移して一人暮らしをしていましたが、令和3年5月1日に結婚し、氏名が乙谷由紀に変わりました。住所は今もC市D町200番地です。
今日伺ったのは甲土地の仮登記のことです。これは、父が生前に丙野二郎さんと売買契約を結び、仮登記を付けていたものですが、本日、売買代金を完済してもらいましたので、正式に名義変更をお願いしたいと思います。」
<丙野健二から聴取した内容>
「私は丙野二郎の長男の丙野健二と申します。丙野二郎は令和2年10月10日に亡くなりまして、甲土地の仮登記については私が単独で引き継ぐということで相続人の間で話がまとまり、必要な書類も揃っています。そして、本日、売買代金の全額の支払を完了しましたので、甲土地の名義変更とこれに関して必要となる登記の申請をお願いします。」
なお、甲土地の不動産の価額は500万円とし、甲土地の権利部(乙区)の登記記録はないものとする。また、複数の申請方法が考えられる場合は登録免許税の額の合計が最も低額となるように申請するものとし、登録免許税の額の計算に当たり、租税特別措置法等の特例法による税の減免の規定の適用はないものとする。
<甲山由紀から聴取した内容>
「昨年4月に父である甲山一郎が亡くなったときは、登記の名義変更でお世話になりました。先生に登記の依頼をした後、私は令和2年6月19日にC市D町200番地に住所を移して一人暮らしをしていましたが、令和3年5月1日に結婚し、氏名が乙谷由紀に変わりました。住所は今もC市D町200番地です。
今日伺ったのは甲土地の仮登記のことです。これは、父が生前に丙野二郎さんと売買契約を結び、仮登記を付けていたものですが、本日、売買代金を完済してもらいましたので、正式に名義変更をお願いしたいと思います。」
<丙野健二から聴取した内容>
「私は丙野二郎の長男の丙野健二と申します。丙野二郎は令和2年10月10日に亡くなりまして、甲土地の仮登記については私が単独で引き継ぐということで相続人の間で話がまとまり、必要な書類も揃っています。そして、本日、売買代金の全額の支払を完了しましたので、甲土地の名義変更とこれに関して必要となる登記の申請をお願いします。」
- 5万2000円
- 5万3000円
- 6万1000円
- 6万2000円
- 10万2000円
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この過去問の解説 (3件)
01
正解 2
<甲山由紀から聴取した内容>について
第一段落から、3番所有権の登記名義人である甲山由紀の現住所と氏名が異なっていることがわかります。
氏名が変更されたのは、令和3年5月1日であり、3番所有権の受付年月日より後に生じているため、氏名変更の登記となりますが、住所を移転したのは、3番所有権の受付年月日より前の令和2年6月19日です。
この場合は、更正登記が必要となり、氏名変更と併せて一の申請情報で行う場合の登録免許税は2000円です(昭42.7.26 民三794号)。
<丙野健二から聴取した内容>について
2番仮登記の名義人である丙野次郎に相続が生じていることがわかります。
この条件付仮登記の移転に必要な登録免許税は1000円です(登録免許税法別表1.1.14)。
以上の二人の聴取内容から2番条件付仮登記の条件が成就したことがわかるため、2番条件付仮登記の本登記申請が可能になります。
そして、この場合の登録免許税は、課税標準価額1000分の10であり、5万円となります。
以上から、これらを合計した5万3000円が登録免許税の合計額ということになります。
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02
正解 2
まず、登記申請が3件必要です。
1件目 甲山由紀の住所更正と氏名変更→2000円
2件目 丙野二郎から丙野健二へ仮登記の相続登記→1000円
3件目 条件付き所有権移転仮登記に基づく本登記→5万円
合計5万3000円です。
注意ポイントとして、
1件目はまとめて一申請できます。
住所変更、氏名変更なら1000円で済みます。
住所更正、氏名更正も1000円で済みます。
しかし、住所 氏名 変更 更正 すべてバラバラな場合だけ2000円かかるということを押さえておきましょう。
2件目の条件付所有権移転仮登記の登記名義人から、条件付きの権利の相続を受けたものへの条件付所有権の移転登記は、付記登記の本登記によってされます。
よって、1000円です。
3件目の仮登記の本登記は「半額サービス」と覚えておきましょう。
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03
合計5万3000円
〈必要な登記〉
①甲山由紀の住所更正と氏名変更の登記:2000円
②丙野二郎から丙野健二への条件付仮登記の相続登記:1000円
③ ②の仮登記の本登記:5万円
①甲山由紀の住所は令和2年6月19日から今までC市D町200番地ですが、登記記録を見ると令和2年6月22日にA市B町100番地に所有権移転登記が入っているので住所更正が必要です。
また、結婚して氏名が乙谷由紀に変更になっているので氏名変更も必要です。
○○更正同士、○○変更同士であれば登録免許税は1000円で済みますが、更正と変更なのでそれぞれ1000円かかります。
②丙野二郎から丙野健二へ仮登記を相続しています。
相続を登記原因とする条件付き所有権移転仮登記は付記登記なので登録免許税は1000円です。
③丙野健二の聴取した内容で条件の売買代金の完済があり条件が成就したことがわかるので本登記をします。
仮登記の本登記の登録免許税は土地の価格の10/1000なので、5万円になります。
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