問題
ア 障害福祉年金の受給者は児童扶養手当の受給資格を欠く旨の規定は、これにより障害福祉年金受給者とそうでない者との間に児童扶養手当の受給に関し合理的理由のない不当な差別が生じることから、違憲である。
イ 日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した子について、父母の婚姻及び父の認知によって嫡出子の身分を取得した子には法務大臣への届出によって日本国籍の取得を認める一方で、日本国民である父から認知されただけの嫡出でない子についてはこれを認めないという区別は、我が国との密接な結び付きを有する者に限り日本国籍を付与するという立法目的との間において合理的関連性を欠き、違憲である。
ウ ある議員定数配分の下で施行された国会議員の選挙において投票価値の平等につき違憲状態が生じていたとしても、その選挙が実施されるまでにその定数配分の見直しが行われなかったことが国会の裁量権の限界を超えないと、憲法に違反しないと認められる場合がある。
エ 嫡出でない子の法定相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする規定は、民法が採用する法律婚の尊重と嫡出でない子の保護との調整を図ったものであり、立法府に与えられた合理的な裁量の限界を超えるものではなく、憲法に違反しない。
オ 尊属に対する殺人罪のみその法定刑を加重して死刑又は無期懲役とする規定は、尊属に対する尊重報恩という道義を保護するという立法目的が不合理であり、違憲である。
(参考)憲法
第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2・3 (略)