司法書士の過去問
令和4年度
午後の部 問13
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問題
令和4年度 司法書士試験 午後の部 問13 (訂正依頼・報告はこちら)
申請情報の内容に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 地役権の設定の登記を申請する場合において、地役権者が複数名いるときは、地役権者ごとの持分を申請情報の内容としなければならない。
イ 賃借権の転貸の登記を申請する場合において、転借権者が複数名いるときは、転借権者ごとの持分を申請情報の内容としなければならない。
ウ 元本確定前の根抵当権の設定の登記を申請する場合には、根抵当権者が複数名いるときであっても、根抵当権者ごとの持分を申請情報の内容とすることを要しない。
エ 信託の登記と当該信託に係る所有権の移転の登記を同時に申請する場合には、受託者が複数名いるときであっても、受託者ごとの持分を当該所有権の移転の登記の申請情報の内容とすることを要しない。
オ A及びBを連帯債務者とする抵当権の設定の登記を申請する場合には、連帯債務者ごとの負担割合を申請情報の内容としなければならない。
ア 地役権の設定の登記を申請する場合において、地役権者が複数名いるときは、地役権者ごとの持分を申請情報の内容としなければならない。
イ 賃借権の転貸の登記を申請する場合において、転借権者が複数名いるときは、転借権者ごとの持分を申請情報の内容としなければならない。
ウ 元本確定前の根抵当権の設定の登記を申請する場合には、根抵当権者が複数名いるときであっても、根抵当権者ごとの持分を申請情報の内容とすることを要しない。
エ 信託の登記と当該信託に係る所有権の移転の登記を同時に申請する場合には、受託者が複数名いるときであっても、受託者ごとの持分を当該所有権の移転の登記の申請情報の内容とすることを要しない。
オ A及びBを連帯債務者とする抵当権の設定の登記を申請する場合には、連帯債務者ごとの負担割合を申請情報の内容としなければならない。
- アウ
- アオ
- イウ
- イエ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
権利の種類ごとに申請情報の内容となるかどうかを問う問題です。
権利ごとに申請情報としなければならない内容,申請情報にはなっても登記事項とならない内容などを区別しておきましょう。
ア・・誤りです。
「地役権者ごとの持分を申請情報の内容としなければならない。」の部分が誤りです。
地役権者が複数いるときでも,地役権者ごとの持分は申請情報の内容ではありません(不動産登記法59条4号,不動産登記令3条9号参照)。
地役権設定の登記については,申請人として登記権利者である地役権者の氏名又は名称及び住所を申請情報の内容としなければなりません(不動産登記令3条1号参照)。
しかし,これらは,登記事項とはなりません(不動産登記法80条2項)。
地役権者の氏名又は名称及び住所が登記事項とならないので,持分も申請情報の内容とならないのです。
イ・正しいです。
賃借権の転貸の登記を申請する場合、転借権者が複数名いるときには,転借権者ごとの持分を申請情報の内容としなければなりません(不動産登記法59条4号,不動産登記令3条9号)
ウ・・正しいです。
確定前の根抵当権については,具体的な持分を観念できない(元本確定後,配当時点で持分が決定される)ので,根抵当権者が複数いるときでも,準共有者の持分を申請情報の内容とすることはできません(不動産登記令3条9号かっこ書)。
エ・・正しいです。
信託の登記において,受託者が複数いるときには,合有(信託法79条)となり,受託者は,持分を自由に処分できません。
ある団体の財産が「合有」であるときは、各構成員はその団体財産に対して持分分割請求をすることができないからです。
そのため,信託の登記と当該信託に係る所有権の移転の登記を同時に申請する場合に、受託者が複数名いるときであっても、受託者ごとの持分を当該所有権の移転の登記の申請情報の内容とすることを要しません(不動産登記令3条9号かっこ書)。
オ・・誤りです。
連帯債務者とする抵当権の設定の登記を申請する場合に、連帯債務者ごとの負担割合は登記事項とならないので(不動産登記法83条1項2号参照),申請情報の内容となりません。
以上から,誤っているものは,アとオになります。
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02
申請情報の内容に関する問題です。
アは誤りです。
地役権を設定する際に持分は登記の申請情報の内容に含まれません。(80条2項)
地役権の登記事項の中に地役権者の氏名や住所は含まれておらず、要役地が登記されるためです。
イは正しいです。
転貸の登記をする際は、転借権者が複数名の場合、転借権者ごとの持分を申請情報の内容としなければなりません。(59条4号)
ウは正しいです。
確定前根抵当権の設定をする際は持分を申請情報の内容とすることを要しません。(3条9号)これはまだ確定してないため持分がまだはっきりしていないためです。
エは正しいです。
信託の登記と当該信託に係る所有権の移転の登記を同時に申請する場合には、受託者が複数人いても持分は記載しません。
受託者の固有財産になるわけではなく、受託者が複数人いたとしても、その財産は合有とされるからです。(信託法79条)
オは誤りです。
連帯債務者とする抵当権の設定の登記を申請する場合、連帯債務者ごとの負担割合については登記事項になりません。(83条1項2号)
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03
申請情報の内容に関する問題です。
アは誤りです。地役権者の氏名又は名称及び住所は登記することを要しない(不動産登記法80条2項)ので、持分も申請情報の内容とはなりません。
イは正しいです。登記に係る権利の権利者の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分が登記事項となります(59条4号)。
ウ及びエは正しいです。「表題登記又は権利の保存、設定若しくは移転の登記(根質権、根抵当権及び信託の登記を除く。)を申請する場合において、表題部所有者又は登記名義人となる者が二人以上であるときは、当該表題部所有者又は登記名義人となる者ごとの持分」が申請情報とされています(不動産登記令3条9号)。
オは誤りです。抵当権の登記の登記事項は不動産登記法83条に掲げられていますが、連帯債務者ごとの負担割合はありません。
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