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司法書士の過去問 令和4年度 午後の部 問19

問題

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登記原因についての第三者の許可、同意又は承諾を証する情報に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア  地目が農地である土地に売買を原因とする所有権の移転の登記がされている場合において、当該売買の合意解除による当該所有権の移転の登記の抹消を申請するときは、農地法所定の許可があったことを証する情報を提供しなければならない。
イ  地目が農地である土地に買戻しの特約の登記がされている場合において、買戻しの期間中に買戻権が行使されたために買戻しによる所有権の移転の登記を申請するときは、農地法所定の許可があったことを証する情報を提供することを要しない。
ウ  地目が農地である土地について財産分与に関する調停が成立したことにより「財産分与」を原因とする所有権の移転の登記を申請する場合には、農地法所定の許可があったことを証する情報を提供することを要しない。
エ  取締役会設置会社でない甲株式会社がその代表取締役Aに対して甲株式会社が所有権の登記名義人である不動産を売却するに当たり甲株式会社の株主総会の承認を受けたことを証する情報を記載した株主総会議事録が書面によって作成されている場合において、当該売却による所有権の移転の登記を申請するときは、出席した取締役全員の記名押印がされた株主総会議事録及びその印鑑に関する証明書を添付しなければならない。
オ  取締役会設置会社である甲株式会社の取締役がA、B及びD、代表取締役がA及びBであり、取締役会設置会社である乙株式会社の取締役がA、C及びD、代表取締役がA及びCである場合において、Bが甲株式会社を、Cが乙株式会社をそれぞれ代表して甲株式会社が所有権の登記名義人である不動産を乙株式会社に売却し、当該売却による所有権の移転の登記を申請するときは、いずれの会社についても当該取引について取締役会の承認を受けたことを証する情報を提供することを要しない。
   1 .
アイ
   2 .
アウ
   3 .
イエ
   4 .
ウオ
   5 .
エオ
( 令和4年度 司法書士試験 午後の部 問19 )
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この過去問の解説 (3件)

7

農地法の許可情報の提供の要否,利益相反取引における同意又は承諾情報が問われています。

特に農地法の許可の要否については,当事者が行なった行為は,農地法の許可情報を添付しないと登記所にわからないことから許可が必要です。

これに対し,官公署が関与した行為や法律効果が明らかである行為等(共有者の持分放棄等)は,許可が不要と覚えておくとよいでしょう(選択肢アないしウ)。

選択肢3. イエ

ア・・正しいです。

合意解除は,当事者が行なう行為であり,官公署が関与していないから農地法の許可が必要です(昭和31年6月11247号1247号通達)。

なお,法定解除の場合は農地法の許可は不要です(同通達)。

イ・・誤りです。

買戻権行使の場合は,当事者が行なう行為であり,官公署が関与していないから農地法の許可が必要です(昭和30年2月10日民事甲355号回答)。

ウ・・正しいです。

調停による財産分与は,裁判所という官公署が関与していますので,農地法の許可は不要です(農地法3条1項12号)。

なお,調停だけでなく,裁判による財産分与についても農地法の許可は不要です。

エ・・誤りです。

出席した取締役全員の記名押印がされた株主総会議事録及びその印鑑に関する証明書」ではなく,正しくは,「出席した取締役のうち少なくとも1名の記名押印がされた株主総会議事録及びその印鑑に関する証明書」となります。

非取締役会設置会社で利益相反取引についての株主総会の承認を受けたことを証する情報を提供して登記を申請する場合,承認した株主総会議事録が書面で作成されているとき,少なくとも議事録作成者が1名記名押印し,その者の印鑑証明書を添付すれば足りる取扱いになっています。

さらに,取締役会を設置していない会社であれば,それほど規模が大きくない会社であることが一般的ですし,そのような利益相反取引についても株主が知っていることが多いでしょうから,株主総会議事録の記名押印は少なくとも1名以上とし,その者の印鑑証明書を添付するという取扱いにしたものと思われます。

仮にこの選択肢がわからなかったとしても,イが誤りでアが正しいと判断できれば,この肢については誤りと判断できますので,イとエが誤りと判断できます。

オ・・正しいです。

取締役が双方の会社で共通する者がいても,代表者がそれぞれ異なれば,利益相反取引に該当しません。昭和52年11月14日民三5691号を参照してください。

したがって,いずれの会社においても,利益相反取引に該当しないので,取締役会の承認は不要です。

この肢は,よく出題されますので,覚えておかなければならない選択肢です。

まとめ

以上から,イとエが誤りとなります。

付箋メモを残すことが出来ます。
2

農地法の許可、利益相反行為についての問題です。

選択肢3. イエ

アは正しいです。

合意解除の場合でも農地法の許可は必要になります。

イは誤りです。

買戻しによる所有権移転の際も戻す場合は農地法の許可が必要になります。

ウは正しいです。

財産分与による所有権移転の場合は裁判所がの手続を経て行っている行為なので農地法の許可は不要です。

エは誤りです。

出席した取締役のうち少なくても1名の記名押印された株主総会議事録及びその印鑑証明書が必要になります。

オは正しいです。

Bは乙株式外邪の取締役ではなく、Cは甲株式会社の取締役ではなく、利益相反行為にあたらないので取締役会の承認は不要になります。

1

不動産登記法(承諾を証する情報等)に関する問題です。農地を移転する場合のどんなケースで、農地法の許可が必要なのか、会社と取締役とが利益相反行為となるはどんな場合かなど、試験での頻出論点が問われています。

選択肢3. イエ

(ア)農地の売買が合意解除された場合、合意解除を登記原因とする所有権移転登記の抹消を行いますが、この場合には、登記申請の際に農地法の許可があったことを証する情報の提供が必要です。従って、本肢は正しいです。なお、債務不履行などによる法定解除を登記原因とする抹消登記申請の場合には、農地法の許可があったことを証する情報の提供は不要です。

(イ)買戻し期間中に、買戻しによる農地の所有権移転登記を申請する場合には、農地法の許可があったことを証する情報の提供が必要なので、本肢は誤りです。

(ウ)財産分与調停に基づく財産分与を登記原因とする農地の所有権移転登記の場合には、農地法の許可があったことを証する情報の提供は不要なので、本肢は正しいです。

(エ)取締役会設置会社ではない株式会社が利益相反取引を承認した株主総会議事録については、原則として、議事録を作成したもの以外の出席取締役・監査役の記名押印は不要とされています。従って、本肢は誤りです。

(オ)甲株式会社を代表するBは、乙株式会社の代表権のある取締役でなく、乙株式会社を代表するCは、甲株式会社の代表権のある取締役ではありません。従って、本肢の取引は利益相反行為に当たりません。どちらの会社でも、本取引に係る登記申請の際に取締役会の承諾証明情報の提供は不要ですので、本肢は正しいです。

まとめ

農地法の許可があったことを証する情報や、利益相反取引に関する承諾証明情報が、どんなケースで必要かということは、司法書士試験では繰り返し出題されていますので、ここでしっかり覚えておきましょう。

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