公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午前 問53
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問題
公認心理師試験 第2回(2019年) 午前 問53 (訂正依頼・報告はこちら)
生活習慣病やその対応について、正しいものを2つ選べ。
- 心理的支援は、準備期以降の行動変容ステージで行われる。
- 腹囲に反映される内臓脂肪型肥満が大きな危険因子になる。
- 問題のある生活習慣のリスクを強調することにより、必要な行動変容が進む。
- メタボリック症候群の段階で行動変容を進めることが、予後の改善のために重要である。
- ライフスタイルの問題によって引き起こされる疾患であるため、薬物療法の効果は期待できない。
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は2・4(2・4の記述が正しい)です。
1 行動変容ステージモデルにおいて、人の行動変容には「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを経るものと考えられています。
対象者がどのステージにいるかを把握し、ステージに応じた対応が求められます。心理的支援としては、無関心期や関心期においても、行動変容のメリットを伝えるなどして動機付けを行うような支援も必要であると考えられるため、記述は誤りとなります。
2 記述のとおりです。体脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪(内臓のまわりに付く脂肪)があります。このうち内臓脂肪が生活習慣病に関係が深いとされており、内臓脂肪が増加すると、高血圧や糖尿病、動脈硬化などが生じやすくなるため注意が必要です。
3 生活習慣病のリスクを伝えることで、危機感を抱かせることも行動変容につながることが考えられますが、一方で、行動変容によって対象者に得られるものがあるなどメリットを伝えていくことも動機付けには重要であり、行動変容にもつながると考えられます。そのため、「リスクを強調する」という部分が誤りとなります
4 記述のとおりです。メタボリック症候群とは、内臓脂肪型肥満により、高血糖、高血圧、脂質異常となる状態を表します。心臓病や脳卒中など重篤な疾患を起こすリスクが高い状態であり、生活習慣を改善することが予防につながるため行動変容を進めることは重要です。
5 治療において、食事療法や運動療法などによる生活習慣の見直しが肝要となりますが、疾病の種類(糖尿病など)や程度に応じて薬物療法が用いられるため、記述は誤りとなります。
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02
1:行動変容ステージモデルは、Prochaskaが提唱したモデルであり、人間の行動変容を5つのステージに分けています。具体的には、「無関心期」から始まり、「関心期」「準備期」「実行期」「維持期」と続きます。
心理的支援は、準備期に限らず、全ての段階で行われるものです。
2:正しい記述です。内臓脂肪は、高血圧や脂質異常症などの要因となります。
3:リスクだけでなく、行動変容によって得られる恩恵も強調すべきです。
4:正しい記述です。
5:薬物療法も有力な選択肢です。例えば糖尿病の治療においては、食事と運動の改善で効果が認められない(あるいは不十分な)場合、インスリンなどの薬物療法が行われます。
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03
以下に解説していきます。
行動変容のステージモデルでは、心理的支援はすべてのステージ(無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期)で行われるべきです。特に、無関心期や関心期にも重要な役割があります。
正しいです。内臓脂肪型肥満は、特に生活習慣病(メタボリック症候群)の大きな危険因子とされています。腹囲の増加は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などのリスクを高め、動脈硬化や心血管疾患を引き起こす可能性があります。
問題のリスクを強調しすぎると、かえって行動変容を妨げることがあります。リスクの強調だけではなく、個人の内的動機や達成感を引き出す支援が必要です。
正しいです。メタボリック症候群の早期段階での行動変容、特に食事、運動、生活習慣の見直しは、生活習慣病の進行を予防し、予後を改善するために非常に重要です。早い段階での介入が、病気の悪化や合併症の発症を防ぐことが期待されます。
これは誤りです。生活習慣病はライフスタイルに関係しますが、薬物療法も高血圧や糖尿病、脂質異常症の管理には重要な役割を果たします。
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