公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午前 問54

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午前 問54 (訂正依頼・報告はこちら)

二次的外傷性ストレス[ Secondary Traumatic Stress<STS> ]による反応について、正しいものを2つ選べ。
  • 幼児期のトラウマ体験を原因とする。
  • フラッシュバックを呈することがある。
  • 被害者の支援活動をしている人に生じる。
  • 回復には年単位の時間を要することが多い。
  • 不安発作の反復を恐れ、社会的活動が制限される。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

【正解:2と3】

二次的外傷性ストレスとは、Figleyが提唱した概念で、「配偶者など親しい間柄の者がトラウマとなる出来事を体験したと知ることにより自然に必然的に起こる行動や感情」と定義されます。
つまり、当事者ではなく援助者に生じるストレスのことです。特徴として、
・PTSDとほぼ同様の症状が起こる
・何の前触れもなく起こる
・回復のペースは速い
といったことなどが挙げられます。
以上を踏まえて選択肢を見ていきましょう。

1:二次的外傷性ストレスは、何の前触れもなく起こります。

2:正しい記述です。PTSDと同様の症状ですから、フラッシュバックは該当します。

3:正しい記述です。

4:回復のペースは速いとされています。

5:選択肢の記述は、パニック障害の予期不安についてのものです。

参考になった数69

02

二次的外傷性ストレス(Secondary Traumatic Stress)とは、トラウマとなる出来事を体験した人を支えようとすることによって、援助者自身が強いストレスを受けたり、傷ついたりする状態を表します。対象者とほぼ同様にPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を示すと言われています。

正答は2・3(2・3の記述が正しい)です。

1 トラウマとなる出来事を体験した対象者の支援にあたり、援助者自身もストレスを受けることを表しています。要因として個人要因や環境要因など様々考えられ、幼児期のトラウマ体験が原因(=元になった事柄)とは言えないため誤りとします。

2 PTSDの症状を示すと言われており、PTSDの主な症状としては、再体験(フラッシュバック、悪夢)、回避・麻痺、過覚醒が挙げられます。したがって、記述は正しいです。

3 記述のとおり、援助者に引き起こる反応のことを表しています。

4 回復には個人差が生じるものと考えられますが、PTSD同様に1年以内に回復する場合は多いと言われており、記述は誤りとなります。

5 不安発作とは、強い不安に襲われ、動悸や発汗、手足の震えなどの症状が生じることであり、程度や頻度が大きくなると社会生活に影響をきたす場合もあります。

記述自体は間違いではないものの、これは不安障害に関する内容であり、二次的外傷性ストレスの説明ではないため、誤りとなります。

参考になった数56

03

以下に解説します。

二次的外傷性ストレス(STS)は、他者のトラウマ体験に間接的に触れることによって引き起こされる心理的なストレス反応です。特に、トラウマを負った人々のケアや支援にあたる専門職(例:医療従事者、警察官など)が、他者の過酷な体験や感情的な苦痛に長期間さらされることによって生じます。

症状としては、フラッシュバックや悪夢、感情的な麻痺、回避行動、共感疲労があげられます。

選択肢1. 幼児期のトラウマ体験を原因とする。

幼児期のトラウマ体験は一次的なトラウマの原因ですが、STSは他者のトラウマに接触することで生じる反応です。幼児期のトラウマとは異なります。

 

選択肢2. フラッシュバックを呈することがある。

正しいです。二次的外傷性ストレスは、他者のトラウマや悲劇的な出来事に触れることによって引き起こされるため、当事者でなくともフラッシュバックのようなトラウマ反応を経験することがあります。

選択肢3. 被害者の支援活動をしている人に生じる。

正しいです。STSは、特に被害者やトラウマ体験者の支援を行っている人、例えばカウンセラー、医療従事者、ソーシャルワーカーなどに生じることがあります。彼らは他者の苦痛に長期間触れることで、自身も精神的に負担を抱えることがあります。

選択肢4. 回復には年単位の時間を要することが多い。

STSはトラウマ反応の一形態であり、回復に時間がかかる場合もありますが、年単位での回復が必ずしも必要というわけではありません。個々の状況により、回復までの時間はさまざまです。

選択肢5. 不安発作の反復を恐れ、社会的活動が制限される。

不安発作の恐怖による社会的活動の制限は、パニック障害などの特徴に近く、STS特有の反応ではありません。STSでは、不安や疲労感が見られることはありますが、必ずしも社会的活動が制限されるわけではありません。

 

参考になった数0