公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午後 問99

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午後 問99 (訂正依頼・報告はこちら)

E. H. Scheinが提唱した概念で、職務の遂行にあたって、何が得意なのか、何によって動機づけられるのか、及び仕事を進める上で何に価値を置いているのかについての自分自身の認識のパターンのことを何というか、正しいものを1つ選べ。
  • キャリア・ラダー
  • キャリア・アンカー
  • キャリア・プラトー
  • キャリア・アダプタビリティ
  • ライフ・キャリア・レインボー

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

1.→キャリア・ラダーの「ラダー」とは「はしご」を意味しており、従業員が「はしご」を登るように順にキャリアアップできるようにした人事制度や能力開発のシステムのことを言います。

2.→キャリア・アンカーの「アンカー」は「錨」の意味であり、「(人の価値を)置くこと」をたとえています。人がキャリアを選択するときに、これはどうしてもゆずれないという価値観や、自分自身の働き方の軸となるものです。E. H. Scheinが提唱した概念です。

3.→キャリア・プラトーの「プラトー」とは「伸びしろのない停滞期」を表しており、組織内での昇進・昇格に行き詰まってモチベーションが低下したり、目標を見失ったりすることを言います。

4.→キャリア・アダプタビリティの「アダプタビリティ」とは「適応できる、順応できる」の意味であり、どんな状況に置かれても、キャリアの変化を受け入れて適応できる能力のことを言います。

5.→ライフ・キャリア・レインボーとは、D.E.Superの提唱したキャリア理論です。キャリアを、仕事だけでなく、年齢やライフステージ・役割の組み合わせととらえます。そして、ライフ・キャリア・レインボーとは、その経験の積み重ねにより形成されるとする考え方のことを言います。

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02

【正解:2】

設問の記述はキャリアアンカーに関するものなので、2が正解となります。

アンカーは日本語で「錨(船舶等を水上の一定範囲にとどめておくために、鎖やロープをつけて海底や川底へ沈めて使う道具のこと)」と訳されます。

そして、キャリアアンカーとは、キャリアを形成してくうえで、個人が全体に譲れないもの、軸となるものを指します。

他の選択肢も見ていきましょう。なお、本問の選択肢は全て“キャリア”が含まれていますので、それ以外の部分に注意して見ていきましょう。

1:ラダーは日本語で「梯子」のことであり、転じてキャリアラダーとは、キャリアアップできる人事制度を意味します。

3:プラトーには“学習や作業の進歩が一時的に停滞する状態”という意味があります。つまりキャリアプラトーとは、昇進や能力の向上が頭打ちになっている状態を意味します。

4:アダプタビリティはadapt(適応する)の名詞形で、「適合性」や「適応力」などと訳されます。そしてキャリアアダプタビリティは、キャリアにおいて、変化の必要性が生じたときにその変化を受け入れ、適応できる能力を意味します。

5:ライフは「人生」、レインボーは「虹」という意味ですが、こちらは図で理解した方が良さそうです(googleなどで「ライフキャリアレインボー」を検索すると、虹のような図が沢山ヒットします。)。ライフキャリアレインボーの特徴は、キャリアを仕事としてとらえるのではなく、人生のある年齢や場面の様々な役割の組み合わせと捉えることです。そして、人生全般にわたり、社会や家庭でさまざまな役割の経験を積み重ねて、初めて自身のキャリアが形成されると考えます。

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