公認心理師の過去問
第1回 追加試験(2018年)
午後 問152
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問題
公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 午後 問152 (訂正依頼・報告はこちら)
20歳の男性A、大学生。「誰かが自分の中に入ってくるから気持ちが悪い」と言い、半年前から大学を欠席するようになった。最近は「町中の人々が自分の命を狙っている。もう死ぬしかない」と言っていた。Aは包丁で自分を刺そうとしているところを発見され、家族に連れられて来院し、即日、医療保護入院となった。1か月後、病識はないものの、症状が改善したため退院することとなった。主治医は退院後の方針についてAの家族に説明した後、公認心理師に面接を依頼した。
公認心理師が行うAの家族への説明として、適切なものを2つ選べ。
公認心理師が行うAの家族への説明として、適切なものを2つ選べ。
- 精神症状は再発することがあります。
- 大学に休学の手続をとってください。
- 服薬の管理は本人に任せてください。
- 外来通院を続けるように支援してください。
- 入院前に思っていたことは妄想なので、もう考えないように説得してください。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は1と4です。
1.→〇
精神症状が落ち着いていても、再発し再び入院することは珍しくはありません。再発した際に、家族が対応できるように、再発の可能性を伝えておくことは必要でしょう。
2.→✖
休学するかどうかは公認心理師が独断で判断していい内容ではありません。
3.→✖
Aは病識が乏しいので、服薬の必要性を感じていない可能性も考えられます。そうなると、服薬の自己管理は難しいでしょう。
4.→〇
通院も病識の乏しさからは難しいかもしれませんが、再発予防のためにも通院は継続が望ましいです。
5.→✖
考えないようにできるのであれば、すでにしていると思われます。
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02
Aは、「誰かが自分の中に入ってくるから気持ちが悪い」「町中の人々が自分の命を狙っている。もう死ぬしかない」と話しています。
Aは、統合失調症を発症していると考えられます。
統合失調症の家族への対応が問われています。
「精神症状は再発することがあります」と家族に説明することは、適切です。
病気についての正しい知識を家族に伝えることは、日常生活でのサポートや関わりのため、また、治療への協力をしてもらうために必要です。
「大学に休学の手続をとってください」という発言は、適切ではありません。
公認心理師が休学について指示できるものではありません。
「服薬の管理は本人に任せてください」という発言は、不適切です。
Aには病識がないため、服薬アドヒアランスが悪くなる可能性があります。
病識がない場合の服薬の管理には、家族の手助けが欠かせません。
「外来通院を続けるように支援してください」と伝えることは、適切です。
外来通院が中断することのないように、家族の支援が必要です。
「入院前に思っていたことは妄想なので、もう考えないように説得してください」と伝えることは、不適切です。
本人には病識がないので、説得には意味がありません。
また、このような対応は、本人の不安を引き起こしかねません。
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03
統合失調症患者の家族に対する対応を問う問題です。
「病識がない」ため、服薬や治療が中断する可能性が高く、再発リスクが高いことを家族に説明しておく必要があります。
公認心理師から家族に提案することではありません。
「病識がない」とあるので、この場合は家族に服薬管理をお願いすることになるでしょう。
適切です。「病識がない」ため、本人が通院の必要性を感じず、治療中断になる可能性があります。家族に服薬と治療継続の必要性を説明して、協力を仰ぐ必要があります。
妄想を考えないように説得することはほぼ不可能であるため、不適切です。
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