公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午前 問14

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 午前 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

H. S. Sullivanの着想に基づく前青年期における互いの同質性を特徴とする仲間関係として、適切なものを1つ選べ。
  • ピア・グループ
  • チャム・グループ
  • ギャング・グループ
  • セルフヘルプ・グループ
  • エンカウンター・グループ

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

発達段階における仲間関係についての問題です。一つずつ見ていきましょう。

選択肢1. ピア・グループ
  1. ピア・グループとは、互いの違いを認め合いながら、同じ人間として尊重する仲間関係のことです。後期青年期に見られます。

選択肢2. チャム・グループ
  1. チャム・グループとは、H. S. Sullivanが提唱した概念で、精神的なつながりや一体感を重視する仲間関係のことです。前期青年期に見られます。よってこれが正解です。

選択肢3. ギャング・グループ
  1. ギャング・グループとは、同じ行動をとったり仲間内にしかわからないサインを送りあったりすることで結束を強めようとする仲間関係です。児童期後半の、特に男子にしばしば見られます。

選択肢4. セルフヘルプ・グループ
  1. セルフヘルプ・グループとは、自助グループのことで、同じ病気や同じ問題を抱えたひと同士が集まり、互いの悩みを共有するグループです。

選択肢5. エンカウンター・グループ
  1. エンカウンター・グループとは、ロジャーズが提唱し、集団精神療法でも用いられる概念です。特定の目的のないグループが「出会いの場」として機能し、参加者がその場で自分の感じたことを表明し合うグループを指します。

まとめ

こうして見るとわかるように、「セルフヘルプグループ」と「エンカウンターグループ」は仲間関係ではないので、まず排除されます。発達段階に応じた仲間関係はギャング→チャム→ピアと変化することも併せて覚えておきましょう。

参考になった数8

02

この問題の正解は、チャム・グループ です。

保坂亨と岡村達也によると、仲間や友人関係の発達はギャンググループ→チャムグループ→ピアグループという段階を経て変遷していくとされています。

ギャンググループは小学校中高学年によく見られ、仲間同士の結束が重視されており、集団内で共通のルールや役割が定められていることが特徴的です。チャムグループは、中学生頃によく見られ、互いの共通点を確認することで同質性を重要視した仲間関係を構築します。ピアグループは青年期以降によく見られ、互いの異質性を認めるとともに他者と比較して自己を確立する仲間関係です。

このうち、サリヴァンは子供の発達に大きな影響を与えることからチャムグループを重要視し、親密な友人とのこのような関係をチャムシップと呼称しました。

このようにSullivanが提唱した、前青年期、同質性といった特徴から正解が導き出せます。

参考になった数7