公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午前 問15

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 午前 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

注意欠如多動症/注意欠如多動性障害〈AD/HD〉の児童へのアセスメントについて、最も適切なものを1つ選べ。
  • 親族についての情報を重視しない。
  • 1歳前の行動特性が障害の根拠となる。
  • 運動能力障害の有無が判断の決め手となる。
  • 家族内での様子から全般的な行動特性を把握する。
  • 保育園、幼稚園などに入園してからの適応状態に注目する。

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この過去問の解説 (2件)

01

ADHDの児童のアセスメントについての問題です。では一つずつ見ていきましょう。

選択肢1. 親族についての情報を重視しない。
  1. 保護者をはじめ親族に、児童の生活や家庭での様子など聞いて、アセスメントする際の材料にします。

選択肢2. 1歳前の行動特性が障害の根拠となる。
  1. ADHDの特性は、乳児期よりも児童期に顕在化しやすいと言われています。

選択肢3. 運動能力障害の有無が判断の決め手となる。
  1. ADHDを含め発達障害の児童は粗大運動や微細運動に問題を抱えやすいと言われていますが、「決め手」とはなりません。

選択肢4. 家族内での様子から全般的な行動特性を把握する。
  1. 家庭内の様子を聞くことは大事ですが、家庭外での適応、不適応を把握することが大切です。

選択肢5. 保育園、幼稚園などに入園してからの適応状態に注目する。
  1. ADHDは、児童期、「集団に適応しにくい」という形であらわれやすいので、これが正解です。

まとめ

以上、一つずつ見てきましたが、「根拠」「決め手」といった極端な表現を用いた設問は正解になりにくい傾向があります。

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02

この問題の正解は、

保育園、幼稚園などに入園してからの適応状態に注目する。 です。

各選択肢については以下の通りです。

選択肢1. 親族についての情報を重視しない。

誤りです。児童がADHDでなく、親や家族の影響によって類似した特徴を示している場合を考慮するために重要と判断できます。

選択肢2. 1歳前の行動特性が障害の根拠となる。

誤りです。診断基準によると、ADHDは家庭と学校など2つ以上の状況において判断する必要があり、1歳前後では家庭以外の社会を経験する機会はほとんど無いためその行動特性は障害の根拠とは言い切れないと考えられます。

選択肢3. 運動能力障害の有無が判断の決め手となる。

誤りです。DSM-5におけるADHDの診断基準では運動能力障害の有無は診断に関与しません。

選択肢4. 家族内での様子から全般的な行動特性を把握する。

誤りです。診断基準にある通り、ADHDで注目するべきは不注意や多動衝動性といった特徴で、文中にある全般的な行動特性の把握は必須とは言えません。

選択肢5. 保育園、幼稚園などに入園してからの適応状態に注目する。

正解です。診断基準と照らし合わせると、12歳以前であること、2つ以上の状況で障害となること(例えば保育園と家庭)に合致していて、診断に重要な情報となりえます。

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