公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午前 問65
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 午前 問65 (訂正依頼・報告はこちら)
25歳の女性 A、会社員。Aは、混雑した電車に乗って通勤中、急に動悸や息苦しさ、めまいを感じ、「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖に襲われ、慌てて病院の救急外来を受診した。心電図などの検査を受けたが、異常は認められず、症状も治まったため、帰宅した。しかし、その日以来、突然の動悸や息苦しさなどの症状が電車内で繰り返し出現した。次第に電車に乗ることが怖くなり、最近は電車通勤ができていない。複数の医療機関で検査を受けたが、原因は特定されず、心療内科クリニックを紹介された。受診したクリニックの公認心理師に Aの心理的アセスメントが依頼された。
Aの状態の理解として、適切なものを1つ選べ。
Aの状態の理解として、適切なものを1つ選べ。
- 強迫観念
- 心気妄想
- 侵入症状
- 対人恐怖
- 予期不安
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この過去問の解説 (2件)
01
各症状についておさえておきましょう。
自分の意志に反して、ある考えが頭に浮かんで消えないことを強迫観念といい、強迫観念の不安を取り除こうと同じ行動を執拗に繰り返すことを強迫行動といいます。例えば、ウイルス感染の恐怖心が消えず、何度も何度も手を洗うといったことが該当します。Aさんは特定の考えがずっと頭から消えず、それによって強迫行動が起きているといった記載は見受けられないため、不正解です。
心気妄想とは、実際に病気にかかっていなくても、自分は病気にかかっていると思い込むことをいいます。Aさんの状況から、何かの疾患があるとの思い込みはみられないため、不正解です。
侵入症状はPTSDの症状の一種であり、過去のトラウマとなる記憶が突然蘇ったり、悪夢として繰り返されることをいいます。Aさんの症状の中で、過去の嫌な記憶が突然フラッシュバックするといった記載はないため、不正解です。
対人恐怖とは、他人の目が気になり、人と接したり人前で話したりすることに恐怖を感じることをいいます。Aさんの症状から対人恐怖に関連する記載はないため、不正解です。
パニック発作がまた起きるのではないかと、恐怖心をもつことを予期不安といい、パニック障害によくみられる症状です。Aさんは、電車で何度かパニック発作を経験し、それがまた繰り返されるのではと不安に思い、電車に乗ることができなくなっています。予期不安の症状があるといえるため、正解です。
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02
精神医学領域の設問です。
不適切です。
強迫観念に該当する記述が見当たりません。
不適切です。
心気妄想(自分は重大な病気なのではないかといった妄想)に該当する記述が見当たりません。
不適切です。
侵入症状(ある出来事が頭の中に入り込んでくるように繰り返し思い出されて、制御できない状態)に該当する記述は見当たりません。
設問中に「突然の動機や息苦しさなどの症状が電車内で繰り返し出現した」とありますが、実際に繰り返し起きている症状で、侵入症状ではありません。
不適切です。
対人恐怖に該当する記述は見当たりません。
適切です。
「電車に乗ると、また起きるのではないか」という不安や恐怖から電車通勤できなくなっていると考えられます。
各設問の症状を整理して理解しておきましょう。
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