第一種電気工事士 過去問
令和6年度（2024年）
問37 (一般問題 問37)

絶縁抵抗計（メガー）の保護端子（ガード端子）は、絶縁抵抗の測定において漏れ電流の影響を排除し、正確な測定値を得るために使用されます。特に、高圧ケーブルの絶縁抵抗測定では、絶縁物の表面を流れる漏れ電流が測定値に影響を及ぼす可能性があるため、保護端子を活用することが重要です。

絶縁抵抗計の保護端子は絶縁物の表面を流れる漏れ電流の影響を除去するために使います。絶縁抵抗計は高圧ケーブルの芯線と接地線の間に直流電圧を印加し、流れる電流を測定して、絶縁抵抗を求めています。このとき、電流がケーブルの絶縁層をバイパスして流れると、絶縁抵抗が過小に評価されるので、保護端子を用いて、このような電流（漏れ電流）が測定電流に含まれないようにしています。

図は、高圧ケーブルに絶縁抵抗計を接続した例です。Gは保護端子です。電流は絶縁抵抗計の電源の正極から出て、L端子を経てケーブルの芯線（導体）に達し、ケーブル内部を流れてケーブルの遮蔽層に到達し、その後、E端子から電流計を経由して、電源の負極に戻ります。ここで、問題は、芯線から遮蔽層までの区間ですが、芯線に到達した電流は、そのまま芯線を流れて、遮蔽層の下に着き、ここから絶縁層を通って遮蔽層に流れるもの (①と表示) と、しばらく芯線を流れたのち、絶縁物の表面を伝って、遮蔽層に流れ着くもの (②と表示) があります。後者の電流は、全く絶縁物を通過しないか、通過しても部分的であり、絶縁物の抵抗測定に含めるのに適当でありません。この電流は絶縁物に保護線を巻いて、保護線からガード端子を経て電源に戻すことにより (③と表示)、指示計を通らず、測定から取り除くことができます。

絶縁抵抗計の保護端子は、表面漏れ電流を除去して正確な絶縁抵抗を測定するための端子です。