一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科2(環境・設備) 問31
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問題
一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科2(環境・設備) 問31 (訂正依頼・報告はこちら)
COP(成績係数)等、空気調和設備に使用される熱源のエネルギー効率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 井水を熱源水とする水熱源ヒートポンプは、一般に、熱源水の温度が冷房時には外気温度よりも低く、暖房時には外気温度よりも高いので、空気熱源ヒートポンプに比べてCOPが高い。
- 省エネルギー性能が高い冷凍機の選定に当たっては、定格条件のCOPとともに、年間で発生頻度が高い部分負荷運転時のCOPも考慮する。
- 水蓄熱槽の採用は、一般に、熱源を全負荷運転することによる高効率運転に加えて、冷水ポンプや冷却水に係る熱源補機も含めた熱源システムのエネルギー効率を高めることができる。
- 遠心冷凍機の冷水出口温度を高く設定すると、COPは低くなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
COP(成績係数)とは冷凍機やヒートポンプの効率を示す指標で、定格消費電力(kW)に対する定格冷房(暖房)能力(kW)の割合で求めます。
1:設問通りです
比熱を考慮すると水は外気に比べて約4倍ほどあるのでそれだけ温度変化がしにくいので外気に比べ年間を通して熱源の安定供給ができます。
2:設問通りです
より実際の運転に近い条件で省エネルギー性を評価するために年間で発生頻度が高い部分負荷運転時のCOPも考慮します。
3:設問通りです
水蓄熱槽はその他にも火災時の消防用水、災害時の生活用水にも利用することができます。
4:誤りです
遠心(ターボ)冷凍機は回転する羽根車による遠心力によって冷媒を圧縮する装置のことです。この冷媒の温度を高く設定しておくと負荷が小さくなる(消費電力が少なくなる)のでCOPは上がります。
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02
設問の通りです。
井戸水等を活用する水熱源ヒートポンプは、冬期の外気温度より高く、夏期の外気温度より低いので、空気熱源ヒートポンプに比べて熱効率がよく、成績係数(COP)が高くなります。
2 [正]
設問の通りです。
省エネルギー性能が高い冷凍機を選定する場合は、定格条件でのCOPとともに、年間で発生頻度が高い部分負荷運転時のCOPも考慮して計画します。
3 [正]
設問の通りです。
水蓄熱槽は、熱源を全負荷運転することによる高効率運転に加えて、冷水ポンプや冷却水に係る熱源補機も含めた熱源システムのエネルギー効率を高めることができます。
4 [誤]
冷凍機は、冷水から熱を奪うものです。冷凍機の冷水出口温度を「低く」設定し、冷水の温度を低くするほど、冷凍機が冷水から熱を奪いにくくなるため、冷凍機の冷凍効率が悪くなり、成績係数(COP)は低下します。
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03
COP向上のためには、冷却水の温度を低くすることで圧縮機の動力を小さくすることが必要です。
井水(地下水)は大気に対して、夏期に低く冬期に高い温度であり、1日の温度変化が小さいため、空気熱源ヒートポンプより高くなります。
2.〇
設問通りです。インバーター搭載型の高効率ターボ冷凍機は定格運転時よりも、部分負荷運転時の方がCOPが高くなります。
3.〇
氷蓄熱もあります。蓄熱槽中に氷が占める体積比率をIPFといいます。
4.×
遠心式冷凍機は冷水出口温度を低くするほど、圧縮機の所要入力は大きくなり、COPは低下します。
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