一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科2(環境・設備) 問32
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問題
一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科2(環境・設備) 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
空気調和・換気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ナイトパージは、夜間に外気導入を行い、翌日の空調立上げ負荷を減らす省エネルギー手法で、一般に、昼間の外気冷房よりも低い外気温度まで利用できる。
- 冷却塔フリークーリングは、冷却塔ファンを動かすことなく、冷凍機の冷却水を冷やす省エネルギー手法である。
- デシカント空調は、コージェネレーションシステムに組み合わせることで排熱が利用可能となり、コージェネレーションシステムの総合効率の向上に寄与することができる。
- 放射暖房方式は、放射パネルが高い放射率をもつ必要があり、反射率の高い受照面には十分な効果を及ぼすことができない。
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この過去問の解説 (3件)
01
設問の通りです。
ナイトパージは主として夏期において、外気温が低下する夜間に外気を導入して躯体の温度を下げ(躯体蓄冷)、翌日の室温上昇を抑える方式です。冬期や中間期でもエネルギー消費量の低減に有効です。
2 [誤]
十分に外気温度が低い冬期に冷却塔を運転すると、冷却水温度を冷凍機で製造する冷水温度近くまで低下させることが可能です。このため、冷凍機の圧縮機を運転せずに、冷却塔を冷凍機として利用する省エネ手法をフリークーリングと呼びます。したがって冷凍機は稼働させないですが、冷却塔のファンは稼働させます。
3 [正]
設問の通りです。
デシカント空調システムでは除湿ロータ(乾燥剤)により空気中の水分を直接除去します。水分を除去後、顕熱のみを所要レベルに低下させます。つまり、従来方式では除湿のためには空気を潜熱・顕熱の一体処理するのに対し、デシカント方式では潜熱と顕熱とを分離処理する省エネ型の空調システムです。また、デシカント空調は、除湿ロータに空気中の水分を直接除去させるため、その再生用の熱源としてコージェネ等の排熱も効率よく利用できます。
4 [正]
設問の通りです。
放射暖房方式では、放射パネルが高い反射率をもつ必要があるので、反射率の高い受照面には十分な効果を期待できません。
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02
1:設問通りです
ナイトパージは一般に夏期において躯体に蓄熱された熱を排除することで翌日の冷房負荷を下げるために行います。
2:誤りです
冷却塔フリークーリングとは中間期や冬期でも冷却を行う場合に、外気を取り入れることで冷凍機を運転させることなく冷却効果をえる手法ですが、空調設備は運転させる必要はありますので冷却塔ファンは運転させます。
3:設問通りです
デシカント空調とは従来では除湿の際には空気を過冷却後に、再加熱を行っていたところを、乾燥剤(デシカント)を用いて直接除湿を行うことでこれらの運転をする必要がなくなり冷却による負荷を少なくすることができるようになった空調のことです。コージェネレーションシステムとの組み合わせにより排熱の有効活用をはかることができます。
4:設問通りです
放射暖房方式は室内の床などに加熱パネルを設けて放射暖房を行う方式です。
また、この方式を用いた床暖房では足元が温まりやすく室内の温度差がつきにくいという利点もあります。
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03
昼間に躯体へ蓄熱された熱を排除します。
冬期や中間期において、冷房を必要とする場合にも有効となります。
2.×
冷却塔フリークーリングは外気が低くなる時期において、冷凍機を運転せず、冷却塔単独で冷水を製造し、これを空調機に送り冷房効果を得る省エネルギー手法です。
3.〇
潜熱を効率よく除去できるため、潜熱と顕熱を分離処理する空調システムに利用できます。
4.〇
設問通りです。送風重力が少ない分、人間の快感度は高いですが、放射熱が伝わりにくいパネルだと効果も得にくいです。
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