一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科1(計画) 問6
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科1(計画) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
人間のまわりの空間や距離等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- エドワード・ホールは、人間同士の距離のとり方等の空間の使い方は、それ自体がコミュニケーションとしての機能をもつと考え、距離をコミュニケーションと対応させて四つの距離帯に分類した。
- ロバート・ソマーは、テリトリー(なわばり)は個人についてまわり、持ち運びができ、その空間のかたちは必ずしも球形ではなく、前方に比べ横のほうは未知の人が近づいても寛容になれることを示した。
- H. メルテンスは、「建築物の高さ」と「視点から建築物までの水平距離」の比によって建築物の見え方の変化を尺度化した。
- オスカー・ニューマンは、物理的・象徴的障壁と見通しのよさをもち、住民たちがそこを「自分たちの場所」と感じているような環境をディフェンシブルスペース(まもりやすい空間)と定義した。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は提唱者と提唱内容を合わせて覚える必要があります。
提唱内容には近しい提唱も存在するので注意が必要です。
適当です。
エドワード・ホールは、人間同士の距離のとり方等の空間の使い方を、距離をコミュニケーションと対応させて下記の四つの距離帯に分類しました。
・密接距離
・個体距離
・社会距離
・公共距離
不適当です。
ロバート・ソマーのテリトリー(なわばり)は土地などの空間は比較的固定され、塀や囲い、印といった境界が目視できることを提唱している。
問題文はパーソナルスペースの説明です。境界を目視することができず、テリトリー(なわばり)の対比としてよく出てきます。
適当です。
H・メルテンスは建物の高さ(H)と視点から建物までの水平距離(D)の比(D/H)によって、建物の見え方(開放感や閉塞感)の変化を尺度化しました。
適当です。
オスカー・ニューマンのディフェンシブルスペース(まもりやすい空間)は、居住地域の防犯の観点から物理的や象徴的な障壁があり、見通しの良い、「自分たちの場所」と感じられる環境のことです。
提唱者と提唱内容を個別に覚えても正答を選ぶことができないので提唱者と提唱内容をセットで覚えるようにしましょう。
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02
この問題は人間のまわりの空間や距離に関する問題です。
提唱者と提唱内容をセットで覚えるように学習しましょう。
正しいです。
エドワード・ホールは、距離をコミュニケーションと対応させて、四つの距離帯(①密接距離、②固体距離、③社会距離、④公共距離)に分類しました。
人間同士の距離のとり方は、それ自体がコミュニケーションとしての機能をもつと考えられています。
誤りです。
ロバート・ソマーは、パーソナルスペースを提唱した環境倫理学者です。
設問は「パーソナルスペース」の説明文です。
「なわばり」とは、生活の場を確保するために侵入を許さないテリトリーのことです。
正しいです。
H・メルテンスは「建築物の高さ」と「視点から建築物までの水平距離」の比によって建築物の見え方の変化を尺度化しました。
一般に、高さの値が大きいほど閉塞感を感じます。
正しいです。
オスカー・ニューマンは、犯罪の発生をおさえる設計の考え方として、ディフェンシブルスペース(まもりやすい住空間)を提唱しました。
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03
空間についての用語とその人物名を合わせて覚えるようにしましょう。
正しいです。
エドワード・ホールは、パーソナルスペースに関して、対人距離を4つのゾーンに大別し、それらをさらに近接相と遠方相の2つに分類しました。
こちらが誤りです。
設問の内容はパーソナルスペースです。
縄張りは『目で見える境界線』、パーソナルスペースは『目に見えない心理的な境界』のことを指します。
正しいです。
H.メルテンスは「建築物の高さ(H)」と「視点から建築物までの水平距離(D)」の比(D/H)によって、建物の見え方の変化を尺度化しました。一般に、値が小さいほど(Hの割合いが大きいほど)閉塞感を感じます。
正しいです。
オスカー・ニューマンは、「自分たちの場所」と認識するスペースを「ディフェンシブルスペース(まもりやすい空間)」と定義しました。
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