一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科1(計画) 問11

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問題

一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科1(計画) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

都市開発やまちづくりに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 北海道札幌市では、都市再生特別地区の指定により、建築物の形態意匠の制限の他、建築物の高さの最高限度や敷地面積の最低限度を定めることで市街地の良好な景観形成に取り組んでいる。
  • 富山県富山市では、レジリエンス戦略を策定し、自然災害による大きな被害や少子高齢化等の社会構造の変化に直面しても、速やかに復興し、さらに成長する能力や強靭さを有する都市づくりに取り組んでいる。
  • 香川県高松市では、タウンマネジメント・プログラムにより、第三セクターを設立し、地域住民や事業者、地権者を主体としたまちづくりが実践されている。
  • 福岡県北九州市では、民間自立型による家守(やもり)事業者の設立や定期的なリノベーションスクールの開催により、遊休不動産を活用した「リノベーションまちづくり」が実践されている。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、制度と町を合わせて覚えるだけでなく制度の効果も理解しておく必要があります。

選択肢1. 北海道札幌市では、都市再生特別地区の指定により、建築物の形態意匠の制限の他、建築物の高さの最高限度や敷地面積の最低限度を定めることで市街地の良好な景観形成に取り組んでいる。

不適当です。

都市再生特別地区とは、都市再生のために高度利用を図る地区で、用途や容積率などを適用除外とすることで自由度の高い計画をすることができます。

そして北海道札幌市は札幌駅周辺を都市再生特別地区としています。

問題文は景観法に基づく景観地区についての説明です。

選択肢2. 富山県富山市では、レジリエンス戦略を策定し、自然災害による大きな被害や少子高齢化等の社会構造の変化に直面しても、速やかに復興し、さらに成長する能力や強靭さを有する都市づくりに取り組んでいる。

適当です。

レジリエンスとは、自然災害が起きた際にすぐに復興できるようにすることを言い、防災や減災の備えも充実させています。

富山県富山市ではレジリエンス戦略を策定しています。

選択肢3. 香川県高松市では、タウンマネジメント・プログラムにより、第三セクターを設立し、地域住民や事業者、地権者を主体としたまちづくりが実践されている。

適当です。

タウンマネジメント・プログラムとは、都市の中心市街地を対象とし、既存の環境や地域の価値を維持、向上するために地域住民や事業者、地権者を主体としたまちづくりです。

香川県高松市は第三セクターを設立し、地域住民や事業者、地権者を主体としたまちづくりが実践されています。

選択肢4. 福岡県北九州市では、民間自立型による家守(やもり)事業者の設立や定期的なリノベーションスクールの開催により、遊休不動産を活用した「リノベーションまちづくり」が実践されている。

適当です。

リノベーションまちづくりとは、大規模な改修を行うことで用途や機能を変更するリノベーションをまちづくりの規模で実施することを言います。

福岡県北九州市では、民間自立型による家守事業者の設立や定期的なリノベーションスクールの開催により、遊休不動産を活用しています。

まとめ

似たような名称の制度も存在するため、適切に制度の名称と内容を覚えるようにしましょう。

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02

この問題では、まちづくりの内容やどの都市が実施しているかの事例も合わせて理解しておきましょう。

選択肢1. 北海道札幌市では、都市再生特別地区の指定により、建築物の形態意匠の制限の他、建築物の高さの最高限度や敷地面積の最低限度を定めることで市街地の良好な景観形成に取り組んでいる。

こちらが誤りです。

都市再生特別措置法による「都市再生特別地区」は、都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導する必要があると認められる区域について、都市計画に定めることができるものであり、建築物等の誘導すべき用途、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建蔽率の最高限度等を定める地区です。

設問の内容は「景観地区」です。

選択肢2. 富山県富山市では、レジリエンス戦略を策定し、自然災害による大きな被害や少子高齢化等の社会構造の変化に直面しても、速やかに復興し、さらに成長する能力や強靭さを有する都市づくりに取り組んでいる。

正しいです。

「レジリエンス戦略」は、一般に、自然災害等により、社会基盤やそれが支える社会及び経済が一時的に大きなダメージを受けても、速やかに復活できる取組指針のことです。

選択肢3. 香川県高松市では、タウンマネジメント・プログラムにより、第三セクターを設立し、地域住民や事業者、地権者を主体としたまちづくりが実践されている。

正しいです。

「タウンマネジメント・プログラム」は、住民・事業主・地権者等が主体的にまちづくりに取り組む手法のことです。

魅力に富む環境の創出、美しいまち並みの形成、歴史文化資産の保全、まちのブランド力の形成、安全・安心な地域づくり、良好なコミュニティの形成、地域の伝統・文化の継承などがあります。

選択肢4. 福岡県北九州市では、民間自立型による家守(やもり)事業者の設立や定期的なリノベーションスクールの開催により、遊休不動産を活用した「リノベーションまちづくり」が実践されている。

正しいです。

「リノベーションまちづくり」は、「今ある資産」を活用して、自治体の都市・地域経営課題を解決していくことを意味します。

参考になった数6

03

この問題は、都市開発やまちづくりに関する問題です。

見慣れない設問が多いため、復習をしっかりしておきましょう。

選択肢1. 北海道札幌市では、都市再生特別地区の指定により、建築物の形態意匠の制限の他、建築物の高さの最高限度や敷地面積の最低限度を定めることで市街地の良好な景観形成に取り組んでいる。

誤りです。

都市再生特別地区とは、用途や容積率等の規制を除外し、自由度の高い計画をすることができる都市計画のことです。

北海道の札幌駅周辺は、都市再生特別地区に指定されています。

設問は、「景観地区」の説明文です。

選択肢2. 富山県富山市では、レジリエンス戦略を策定し、自然災害による大きな被害や少子高齢化等の社会構造の変化に直面しても、速やかに復興し、さらに成長する能力や強靭さを有する都市づくりに取り組んでいる。

正しいです。

レジリエンスとは、災害から命を守り、かつ、被災した直後に速やかに回復できる力のことであり、近年建築や都市に求められています。

富山県富山市では、レジリエンス戦略を考慮した都市づくりに力を入れています。

選択肢3. 香川県高松市では、タウンマネジメント・プログラムにより、第三セクターを設立し、地域住民や事業者、地権者を主体としたまちづくりが実践されている。

正しいです。

タウンマネジメントとは住民や事業主等を主体としたまちづくりです。

香川県高松市では、タウンマネジメントについての実践をしています。

選択肢4. 福岡県北九州市では、民間自立型による家守(やもり)事業者の設立や定期的なリノベーションスクールの開催により、遊休不動産を活用した「リノベーションまちづくり」が実践されている。

正しいです。

リノベーション街づくりとは、空き家や使われていない家屋等を利用していき、民間主体のもと、今後の街の活性化につなげていくことです。

福岡県北九州市は、リノベーション街づくりに力を注いでいます。

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