2級土木施工管理技術の過去問 平成29年度（前期） 土木 問17

１）適当です。
水抜きは本えん提の本体の天端中央の水通しの下に設ける暗渠で、その目的により大きさや設置数、配置などを定めるものとします。
主な目的は施工中の流水切り替え、また完成後は堆積した砂の浸透水を抜き水圧を軽減させ、下流への土砂流出と本えん提の負荷軽減のために施工されます。

２）適当です。
砂防えん提における袖は、垂直壁の場合には必ず設置を義務付けられるもので、本えん提の中央にある水通しの両側に向かって上り勾配をつけて一段高くした部分を指します。
洪水時に水や土砂を越流させないようにする目的で設けられ、土石流の流量を予測し水通しよりもさらに余裕高をもって設計し、崩壊を防ぐために強固に施工する必要があります。

３）適当です。
水たたきは本えん提から下流方向に取り付けられ、水通しや水抜きを通って落下する流水や砂による衝撃に耐え、また洗堀や浸食を防止する目的があります。
えん提の基礎の安定と両岸の崩壊防止を図り、揚圧力に対しても耐久性を保持するもので、もし副えん提を設けない場合は水たたき下流部に垂直壁を設置し、水たたき前面の洗堀を未然に防ぎます。

４）適当ではありません。
水通しは土砂に含まれる水だけを下流へ流す目的で本えん提の中央部の天端に設置されます。その断面形状は原則として逆台形の形とし、最小幅は３ｍまでとします。
流水による下流部への洗堀に対処するために対象の流量に対して十分な断面とさせて、幅は最低でも３ｍ以上とし、高さも余裕高以上の値を加えて定めます。

問題の解説　

正解は　4　です。
水通しは逆台形断面がもっとも多く採用されます。

その他の選択肢は下記の通りです。

1.流水の流下を助け水圧を低減させます。

2.両岸に向かい”上り勾配”で設けられます。

3.落下水の衝撃を緩和し”洗掘を防止するため””に設けられます。

正解は「水通しは、一般に本えん堤を越流する流量に対して十分な大きさの矩形断面で設けられる。」です。