2級土木施工管理技術の過去問
平成29年度(前期)
鋼構造物塗装 問63

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 平成29年度(前期) 鋼構造物塗装 問63 (訂正依頼・報告はこちら)

鋼材の腐食に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • 電気化学的反応に基づいて進行する鉄の腐食反応は、アノード反応とカソード反応が必ず等量で進行し、片方の反応が抑制されると他方の反応も抑制される。
  • 湿食は、高温状態において水と酸素の存在下で生じる腐食で、鉄がイオン化して水の中に溶解する電気化学的反応である。
  • 乾食は、高温状態で環境中の物質と反応して生じる酸化物生成反応で、圧延時鋼材表面にミルスケール(黒皮)層が生成する現象などがあり、腐食の進行速度は非常に速い。
  • 鉄の腐食反応では、鉄が溶出するアノード反応が生じるためには酸素と鉄の接触が必要であり、カソード反応の進行には水と酸素が必要である。

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この過去問の解説 (3件)

01

1)適当です。
例えば鋼材に水滴が付着した場合、水滴の中心に近い部分では鉄の融解が始まるアノード反応、水滴と鋼材の接着部分では酸素の還元が始まるカソード反応がそれぞれ起こります。
両反応は電荷がほぼ等しく進むため、片方の反応を抑えるともう片方の反応も抑制されます。

2)適当ではありません。
湿食は、「高温状態」ではなく「常温状態」で鋼材が酸化し、電子と鉄イオンが生じて発生します。
アノード反応で鉄イオンが、カソード反応で水酸イオンが生成され、腐食を進行させる電気回路が形成されます。

3)適当ではありません。
乾食は、鋼材が高温状態に置かれて発生しますが「環境中の物質」ではなく「水蒸気や炭酸ガスなど」の高温のガスが表面に接触することにより酸化物が生成、腐食が進行します。

4)適当ではありません。
アノード反応は鉄原子から2個の電子が離れる陽極反応であり、カソード反応はアノード反応で浮遊した電子が酸素が酸素に結び付く陰極反応ですので、水や酸素の接触は関係ありません。

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02

1)正解です。
 上記の通りです。
2)間違いです。
 電気化学反応ではありません。
3)間違いです。
 腐食の進行速度は遅いです。
4)間違いです。
 カソード反応は電子を受け取る反応です。
 アノード反応は電子を放出する反応です。

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03

1〇
電気化学的反応とは電気エネルギーと化学変化との関係を含む化学反応のことです。

湿食は、金属表面の水分を介して酸化還元反応を担うイオンが存在する場合に生じます。

乾食は、金属表面に高温のガスが接触することで生じる腐食。酸化物の被膜が生成され、金属表面と酸化物層の間の局部的な電位差によって腐食が進行します。

酸化反応はアノード反応(陽極反応)、還元反応はカソード反応(陰極反応)というので酸素と鉄の接触は関係ありません

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