2級土木施工管理技術の過去問
平成29年度(前期)
鋼構造物塗装 問84

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 平成29年度(前期) 鋼構造物塗装 問84 (訂正依頼・報告はこちら)

塗料の調合に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか
  • 塗料は、可使時間を過ぎると性能が十分発揮されないばかりか欠陥となりやすいので、可使時間を守る。
  • 多液形塗料や高粘度塗料のかくはんは、塗料を均ー化させ乾きむらを防止するため、かくはん機を用いる。
  • 塗料は、製造後長期間過ぎると密封された缶内でも品質に変化が生じることがあるので、開缶時に固化の有無を確認し、固化している場合は金網でろ過してから使用する。
  • 塗料は、塗装作業時の気温、塗付方法、塗付面の状態に適した塗料粘度に調整するため、塗料に適したシンナーで適切に希釈する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1)適当です。
塗料は水やシンナーを加えて薄める1液型と、付属の硬化剤を混合しさらに水などで薄める2液型があります。
2液型は塗装後の耐候性が高いかわりに硬化剤を混入するとすぐに硬化が始まります。
塗料ごとに温度と可使時間(ポットライフ)が設定されており、その時間内に塗装を終らせる必要があります。
1液型は可使時間が設定されていないものが多いですが、すでに塗料に硬化剤が混入されており、開封後半年から1年を過ぎると使用不可能となります。
硬化剤は開封後徐々に劣化し、また気温が高いと硬化が早まり、塗装しても密着不良や硬化不良を引き起こすので可使時間と気温には十分注意します。

2)適当です。
多液形塗料は主剤・硬化剤・触媒などを混合して用いるので、使用前には十分かくはんする必要があります。また、高粘度塗料はゲル化しやすく、溶剤などで希釈した後によくかくはんする必要があります。
両者とも手動かくはんは労力が必要な上に不均一になりやすく、塗りむらや乾きむらなどの塗装不良を引き起こす可能性があるので、かくはん機を用いて均一に混ぜることが必要になります。

3)適当ではありません。
塗料は使用期間が設定されており、未開封でも製造後長期間放置したり、また使用後もふたを閉めていても長期間経つと顔料が底部に沈殿するケーキングと呼ばれる現象が起こります。
ケーキングが柔らかい場合は十分にかくはんして使用できますが、固形化してしまった状態はもう液状には戻らず、塗料の材料の比率が変わってしまい使用不可能となりますので、ろ過せずすべて廃棄処分します。

4)適当です。
塗料は使用前にうすめ液を加えて粘度を調整しますが、水性塗料は水を、油性塗料はシンナーを加えます。
塗料に適したシンナーを加えることで、塗膜を均一にさせ、塗装のし易さや塗装面の密着性も向上します。また、気温により乾燥速度も違うので、夏用・冬用と使い分ける必要があります。

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02

1)間違いです。
2液型塗料の可使時間を過ぎると塗膜性能に問題が起こり、劣化が早くなり耐久性が落ちます。
2)間違いです。
かくはん機でかくはんしないと均一に塗料が混ざらない為、乾きムラが大きくなります。
3)正解です。
製造後、長期間開缶しなかった塗料は開缶して固化していたら使用してはならない。
4)間違いです。
上記の通り、塗料に適したシンナーで適切に希釈する。

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03


可使時間とは主剤と硬化剤を混合して使う塗料や接着剤などで、混合後の作業が可能な時間のことを指します。

人力によるかくはんは、十分にできないことや作業効率が低下することから行いません。
3〇
固化している場合は化学変化で品質が変化しているので、金網で濾過しても使用できません。

高温時(35度以上)の時は、塗膜に泡が生じやすく、性能・作業性が低下します。塗料は効果の段階で溶剤が蒸発するので、気化熱によって塗装面の温度が低下し結露が起きやすくなるので、湿度が高い場合は注意が必要です。

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