2級土木施工管理技術の過去問
平成30年度(後期)
鋼構造物塗装 問68
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 平成30年度(後期) 鋼構造物塗装 問68 (訂正依頼・報告はこちら)
鋼橋の耐候性鋼材に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 耐候性鋼材は、緻密なさび層が板厚の減少を緩やかに抑えることにより防食をする鋼材である。
- 耐候性鋼橋の補修でブラスト処理を行う場合は、普通鋼と比較して耐候性鋼材のさびは柔らかいので処理時間が短い。
- 耐候性鋼橋に用いる高力ボルトは、主要構造部材と同等以上の耐候性能を有する耐候性高力ボルトを用いるものとする。
- 耐候性鋼橋の桁端部は、層状剥離さびが発生しやすいことから、新設時にあらかじめ重防食塗装などを施すのがよい。
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この過去問の解説 (3件)
01
耐候性鋼材は鋼鉄に銅やニッケル、クロムなどの耐候性金属を添加する事により、鋼材自ら酸素と結合し保護性のサビを表面に発生させる事で防錆力を発揮する鋼材で、塩害が少なく塗り替えにコストがかかる山間部などの鋼橋などに採用されます。
表面が雨風にさらされて乾燥を繰り返す事で保護膜を形成し茶褐色となる事で美観を保持しますが、滞水などで乾燥しにくくなると腐食が進行します。
2)適当ではありません
耐候性鋼材に発生するサビはクロムやニッケルなどが含まれているため通常の鋼材のものよりも硬く、ブラスト処理での除去が困難となります。
そのためケレンに使用する工具にダイヤツールなど硬度の高い歯を採用したり、高圧洗浄により鋼材内部の腐食因子を洗い流す必要があるため、普通鋼よりもブラスト処理の時間を要するようになります。
3)適当です
耐候性鋼材を用いた鋼橋では滞水などによる腐食を予防するために、接合部分にも通常のものよりも大気による防食性や耐遅れ破壊性に優れている耐候性の高力ボルトを使用します。
一般的な鋼材のボルトでは腐食の電位が低いためにより腐食が進行し劣化を早めますが、耐候性高力ボルトはその電位が同一に近くなるため劣化がゆるやかになります。
4)適当です
耐候性鋼橋は大気中の塩分量が過多な環境や表面が湿潤状態が継続する状態が続くと、保護性サビが形成されてもそれが損なわれて腐食が進行します。
特に桁端部は舗装と床版の繋ぎ目であり、空気の通りが悪く雨水や凍結防止剤などが含まれた水分が溜まりやすい上に目視での腐食の確認が容易ではないので、新設時には普通鋼材同様に耐久性を有する外面用塗装用の塗料を使用します。
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02
耐候性鋼橋のブラスト処理だが、緻密なさびが鋼材表面を保護しているので取りにくく時間がかかります。
耐候性鋼とはCu、Cr、Ni等の合金元素を含有し、無塗装のままで年月の経過と共に表 面に緻密で密着性の高いさびを形成する鋼材です。 無塗装で優れた防食性能を発揮するため多くの橋梁に使われています。
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03
1.→ 適当です。耐候性鋼材は合金元素を含有し、表面に緻密なさび層を形成していることで、板厚の減少を緩やかに抑えることにより防食をします。
2.→ 適当ではありません。耐候性鋼材は表面に緻密なさび層を形成していることで、普通鋼よりも固く処理時間が長くなります。
3.→ 適当です。耐候性鋼橋に用いる高力ボルトは、主要構造部材と同等以上の耐候性能を有する耐候性高力ボルトを用います。
4.→ 耐候性鋼橋の桁端部は、層状剥離さびが発生しやすいことから、新設時にあらかじめ重防食塗装などを施します。
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