2級土木施工管理技術の過去問
令和元年度(後期)
鋼構造物塗装 問62
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和元年度(後期) 鋼構造物塗装 問62 (訂正依頼・報告はこちら)
鋼材の腐食に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 隙間腐食は、鋼板の重ね合わせ部やボルトの下など金属同士の接触部の隙間部分の金属が腐食される現象である。
- 異種金属接触腐食は、電位の異なる金属が接触し、そこに電解質溶液が存在すると金属間に腐食電池が形成され、卑な金属が腐食される現象である。
- 孔食は、普通鋼などの不働態皮膜を形成した金属に発生しやすく、金属が表面から孔状に侵食される現象である。
- 局部腐食は、金属表面の状態の不均一又は環境の不均一によって腐食が局部に集中して生じる現象である。
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この過去問の解説 (3件)
01
「隙間腐食」とは金属同士または金属と他の材料との間に隙間が存在する場合、隙間の内外においてイオン、酸素などの濃淡電池が構成されて生じる腐食のことを指します。よって1は適当です。隙間腐食では腐食の進行が進むにつれて、鉄イオンや水素イオンが蓄積し、塩分濃度の増加とpHの低下が進み腐食は一層加速されます。
「異種金属接触腐食」とは異種金属を電気が流れやすい (水中や水がかかった)状態で接触させた時に生じる腐食のことです。異種の金属が接触しているところに水がかかることで、電池が構成され、異種金属間で電子のやりとりが行われることで腐食が発生します。特に自然電位の低い方の金属が腐食します。よって2は適当です。
「孔食」は、ステンレス鋼の表面を保護している酸化膜が破壊され、電子を失いやすい状態になることで生じます。 この電子化学反応によって、小さな空洞または「くぼみ」が形成されていきます。これはステンレス鋼、アルミニウム合金などに生じます。よって3は不適当です。
「局部腐食」は、金属表面の局部に集中して起きる腐食です。その発生原因の1つとして、材質表面の不均一性があります。よって4は適当です。
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02
1)適当です
隙間腐食は、鋼板の重なる部分やボルト部分など金属同士が接触している部位の隙間が腐食される現象です。
通気の悪さなどにより隙間での酸素イオン濃度が減少し、隙間内やそのまわりの外部で濃淡電池が形成されることで電位差が生じ、また塩分濃度の増加とPH低下により腐食が進行します。
2)適当です
異種金属接触腐食は、電解質の溶液が存在するところに電位の異なる金属が接触することで金属の間に腐食電池が形成され、卑な(電位の低い)金属が腐食する現象です。
対策として、材質の異なる金属を組み合わせて施工する場合は電位差が小さくなるような組み合わせとし、それが不可能な場合は絶縁ワッシャーなどを使用し金属同士の接触を避けるようにします。
3)適当ではありません
孔食は鋼材表面が孔状に浸食する現象で、普通鋼ではなくステンレス鋼などの素材の表面に形成された不働態被膜が塩化物イオンによって局部的に破壊され腐食が進行します。
海水や塩化物の影響を受けやすい地形で用いられる場合は、塗料などを用いて被覆防食と併用するようにします。
4)適当です
局部腐食は、鋼材の表面の状態が不均一な状態となることにより腐食が局部に集中する現象で、腐食が局部的に早い速度で進行します。
全面腐食よりも腐食部分が深くえぐれた状態となるので、補修にはかなりの費用と手間を要します。鋼道路橋の場合は局部腐食に対する防食が重要となります。
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03
隙間腐食は,すきま内外で酸素濃淡電池が形成され,酸素の少ないすきま内部に腐食が生じることです。腐食の進行が進むにつれて、鉄イオンや水素イオンが蓄積し,塩分濃度の増加とpHの低下が進み腐食は一層加速されます。
2×
異種金属接触腐食とは異種の金属が接触していると、アノード(低電位側)の腐食が促進され、カソード(高電位側)の腐食が抑制される現象のことです
3〇
孔食とは孔があいたように、間口の大きさのわりに深い腐食をいいます。ステンレス鋼、アルミニウム合金などに生じます。
4×
局部腐食の原因とされるのが、金属の組成や組織が不均一出ることと腐食環境が不均一であることです。
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