2級土木施工管理技術の過去問
令和元年度(後期)
鋼構造物塗装 問63
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和元年度(後期) 鋼構造物塗装 問63 (訂正依頼・報告はこちら)
鋼材の防食に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- 金属溶射は、鋼材表面に溶融した亜鉛やアルミニウムなどの金属材料を溶射して形成した溶射皮膜が腐食因子や腐食促進物質の鋼材への到達を抑制して鋼材を保護する防食法である。
- 電気防食は、電気化学的に腐食を抑制する防食法で、主に用いられるカソード防食法には定電流方式と外部電源方式がある。
- クラッド鋼は、鋼材の片面あるいは両面に耐食性に優れたステンレスやチタンなどの合わせ材を金属組織的に接着した防食法である。
- 厚膜被覆は、ゴムやプラスチックなどの無機材料を厚膜に被覆した長期間の耐食性を有する防食法である。
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この過去問の解説 (3件)
01
「金属溶射」とは亜鉛、アルミニウム、マグネシウムなどのコーティング材料を
加熱し溶融ないし軟化させ、圧縮空気などで微粒子化し、
吹き付けて皮膜を形成させる表面被覆法です。
よって、1は適当となります。
このときできる皮膜は一般に多孔質であり、
溶射皮膜に別途封孔処理を施す必要があるものが多いです。
「電気防食」とは金属に電気を流し、
腐食の起こらない防食電位にまで変化させて腐食を防ぐ工法です。
電気防食法には, 流電陽極方式と外部電源方式とがあります。
よって、2は不適切です。
「クラッド鋼」とは炭素鋼または低合金鋼(母材)の表面に
ステンレス鋼板など(合せ材)を接合したハイブリッド鋼板であり、
合金層によって結合しているため容易に剝がれることはありません。
よって、3は不適切です。
「厚膜被覆」は、主に港湾や海洋鋼構造物の飛沫、干満部に用いられ、
ゴムやプラスチックなどの「有機材料」を厚く被覆して
長期間の耐食性を有するものです。
よって。4は不適切です。
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02
1)適当です
金属溶射は鋼材の表面に亜鉛やアルミニウム、擬合金などの溶射皮膜を形成させることにより、腐食原因となる酸素や水、腐食を促す塩分などの成分が鋼材表面へ到達しないように遮断する防食方法です。
構造物は下地処理や溶射作業が容易に実施できるように狭い部分をなるべく少なくするように設計し、また皮膜は多孔質なので別途封孔処理を施します。
2)適当ではありません
電気防食は海水の中や海底、またその土中の鋼材に電気化学的な処理を施すことで、鋼材から海水などの電解質へ流出する腐食電流に耐えうる電流を流し込む防食方法です。
電気防食には直流電源装置と補助陽極、鋼材により電気回路を形成し電流を流す外部電源方式と鋼材よりも電位の低い金属を陽極として利用する流電陽極方式の2つに分けられます。
定電流方式は双方の電流を一定となるように流す方法なので、双方の電流が同位となり海水への腐食電流に耐えられません。
3)適当ではありません
クラッド鋼は鋼材の全面にわたり違う素材を張り合わせることにより安価に高機能な性能を発揮する複合材料です。耐食性のある金属で表面を成膜するめっきとは違い、性質の異なる素材を合わせることで単一の金属では得られない機能を発揮することで耐摩耗性、耐化学腐食性に優れています。
主な張り合わせ材料はクラッド金属と呼ばれ、高炭素鋼やステンレス鋼、ニッケル、チタンなどが採用されます。
4)適当ではありません
厚膜被覆は主に海洋鋼構造物について腐食環境から鋼材を遮断する方法のひとつですが、塗装とは違い鋼板を金属系または非金属系の物質で被覆する方法です。
そのうちゴムやプラスチックなどの有機材料を鋼材に被覆するのは有機ライニングという方法で、モルタルやガラス、ホーローなどを無機材料を被覆するのはモルタルライニングや金属ライニングという方法です。
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03
1〇
金属溶射の溶射皮膜は、一般に多孔質の皮膜であるので、溶射皮膜に別途封孔処理を施す必要があるものが多いです。
2×
電気防食は、鋼材に電流を流して表面の電位差をなくして腐食電流の回路を形成させない方法です。
3×
クラッド鋼は、安価な炭素鋼を母材として、高価なステンレス鋼やチタンをはり合わせ、耐摩耗性や耐食性を高めた鋼材が広く用いられます。
4×
厚膜被覆は、主として港湾や海洋鋼構造物の飛沫、干満部に用いられ、ゴムやプラスチックなどの有機材料を厚く被覆して長期間の耐食性を有するものです。
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