2級土木施工管理技術の過去問
令和元年度(後期)
鋼構造物塗装 問64

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和元年度(後期) 鋼構造物塗装 問64 (訂正依頼・報告はこちら)

鋼橋の腐食の因子と要因に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 地理的・地形的要因には、塩、水と、局地的な要因として重交通路線、工業地帯、火山地帯、飛砂などがある。
  • 腐食因子には、日照、気温、塩分と、局地的な自動車の排気ガス、工場からの排出物と火山性ガス及び近年その影響が懸念されている酸性雨がある。
  • 塩がかかわる構造的要因には、降雨による洗浄作用と、凍結防止剤散布路線の並列橋及び桁端部、伸縮装置、排水装置、床版ひび割れ部などからの凍結防止剤を含んだ漏水がある。
  • 水がかかわる構造的要因には、伸縮装置、排水装置、床版ひび割れ部などからの漏水と、排水勾配、水抜き孔、スカラップなどの滞水などがある。

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この過去問の解説 (3件)

01

鋼橋の腐食の因子と要因に関する問題です。

選択肢1. 地理的・地形的要因には、塩、水と、局地的な要因として重交通路線、工業地帯、火山地帯、飛砂などがある。

×
地域により対策が異なるため、適した工法の選定が必要になります。

選択肢2. 腐食因子には、日照、気温、塩分と、局地的な自動車の排気ガス、工場からの排出物と火山性ガス及び近年その影響が懸念されている酸性雨がある。


腐食因子に気温は関係ありません。

選択肢3. 塩がかかわる構造的要因には、降雨による洗浄作用と、凍結防止剤散布路線の並列橋及び桁端部、伸縮装置、排水装置、床版ひび割れ部などからの凍結防止剤を含んだ漏水がある。

×
凍結防止剤には、塩化カルシウムが使用されているため、塩が関わる構造的な要因に含まれます。

選択肢4. 水がかかわる構造的要因には、伸縮装置、排水装置、床版ひび割れ部などからの漏水と、排水勾配、水抜き孔、スカラップなどの滞水などがある。

×
使用するにつれ床版のひび割れは発生するので、定期的な検査が必要になります

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02

1)適当です

地理的、地形的な要因としては、鋼構造物が置かれている場所が海岸部である場合に著しい速度での腐食が見られ、これにより飛沫化した海水などによる塩水が影響していると考えられます。

また海岸部より遠方に位置する構造物は腐食速度が遅延するものの、工業地帯や都市部に置かれたものは田園部や山間部より多少腐食が進みやすく、これには工場からの排出物や自動車の排気ガスに含まれる化学物質が要因となります。

2)適当ではありません

鋼材が腐食する要因として、海水飛沫や凍結防止剤などにより大気中に含まれる塩分や水分、排気ガス、工場からのばい煙、火山性ガスに塵埃(じんあい)などが付着することにより引き起こされ、また近年は酸性雨も要因のひとつとされています。

気温や日照は腐食を促進する因子としては関係ありますが腐食の要因そのものには当てはまりません。

3)適当です

鋼橋が腐食する構造的な要因としては、降雨による鋼材表面に付着した塩分の洗浄作用により塩分を含んだ水が停滞する、並列鋼橋にて使用された凍結防止剤が隣の鋼橋に飛散または漏水して腐食の要因となる、などがあります。

このため腐食は雨水や結露が流下しやすい腹板よりもフランジや桁端部などに多く見られます。

4)適当です

鋼橋の施工では導水や排水を設計計画しますが、その予想を超えた部位に滞水や漏水などが発生すると著しく防食の劣化が進行します。

対策として排水に必要な勾配を取るほか、箱桁内の水抜き孔やスカラップによる排水などを促すように位置形状に配慮し、滞水により鋼材や接続部位の腐食や劣化を防止します。

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03

正解は2です。

1は適切です。
地理的・地形的要因は地域により対策が異なるため、
適した工法を選定する必要があります。

腐食は大気中で酸化されて錆が発生することを呼びます。
よって腐食因子に気温は関係ありません。
2は不適切です。

「凍結防止剤」には塩化カルシウムが使用されており、
塩が含まれているため、腐食の要因となります。
よって3は適切です。

鋼橋の腐食において、特に水には注意が必要で、
漏水や滞水による局部的な腐食事例が多く存在します。
伸縮装置からの漏水および滞水などの影響で、
局所的な腐食が進むこともあります。
よって4は適切です。

参考になった数4