2級土木施工管理技術の過去問
令和2年度(後期)
鋼構造物塗装 問73

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和2年度(後期) 鋼構造物塗装 問73 (訂正依頼・報告はこちら)

現場ボルト接合部の塗装に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • トルシア型高力ボルトは、ピンテール跡が鋭利な形状となり塗膜が十分に付きにくいので、ピンテール跡はグラインダで平滑にする。
  • 現場連結部は、塗料が付きにくく一般部に比べて塗膜の弱点となりやすいので、現場接合の後の塗装には長期耐久性に必要な膜厚確保のため超厚膜形エポキシ樹脂塗料を用いる。
  • 部材を高力ボルトで接合する継手部は、架設現場で部材の接合後にすべて手工具で素地調整を行って塗装する。
  • 現場塗装は、十分な養生を行いスプレー塗装が望ましいが、施工の制約がありスプレー塗装ができない場合は、はけ塗り又はローラー塗りとする。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.正
正しい文面です。
2.正
正しい文面です。
3.誤
「部材を高力ボルトで接合する継手部は、架設現場で部材の”接合前”にすべて手工具で素地調整を行って塗装する」が正です。
4.正
正しい文面です。

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02

鋼構造物に使用される高力ボルトとは高張力鋼を使用し作られた高強度ボルトで、高力六角ボルトとトルシア型高力ボルトがあります。締付けでは一次締めの後に本締めを行い、通常のボルトよりも高く設定されたトルクで締付けを行います。一度使用したものは再利用することはできません。

外面及び内面の現場ボルト接合部の塗装では、塗装系F-11(一般部塗装系C-5)、F-12(一般部塗装系D-5)を適用するのが良いとされています。

選択肢1. トルシア型高力ボルトは、ピンテール跡が鋭利な形状となり塗膜が十分に付きにくいので、ピンテール跡はグラインダで平滑にする。

現場ボルト接合にトルシア型高力ボルトを用いる場合、ピンテール跡が鋭利な形状となることが多くなります。そうなると塗料が十分につきにくいため、ピンテール跡はグラインダを使用し平滑にする必要があります。

近年は鉄粉を吸引して飛散を防止するピンテール破断面の専用工具が実用化されています。

選択肢2. 現場連結部は、塗料が付きにくく一般部に比べて塗膜の弱点となりやすいので、現場接合の後の塗装には長期耐久性に必要な膜厚確保のため超厚膜形エポキシ樹脂塗料を用いる。

適当です

現場連結部は塗料が付きにくく一般部塗装よりも塗膜が弱くなりやすいため、現場接合後の塗装には超厚膜型エポキシ樹脂を塗装します。高力ボルトは凹凸が多い形状や狭いボルト部によりネジ部にピンホールやナット部にさびが生じる可能性が高く、300μm以上の厚い塗膜が一度の塗装で得られる超厚膜型エポキシ樹脂を用いることにより、防食性の向上と工程短縮を図ります。

選択肢3. 部材を高力ボルトで接合する継手部は、架設現場で部材の接合後にすべて手工具で素地調整を行って塗装する。

適当ではありません

部材を高力ボルトにて接合する継手部は、仮設現場での部材の接合後に素地調整を行い塗装します。その際の素地調整は動力工具処理とし、主に高力ボルト部や損傷部、発せい部を対象とします。

手工具による素地調整はさびが残りやすかったりと仕上がりが安定しないため、推奨されません。よって手工具により素地調整を行うというこの解は適当ではありません。

選択肢4. 現場塗装は、十分な養生を行いスプレー塗装が望ましいが、施工の制約がありスプレー塗装ができない場合は、はけ塗り又はローラー塗りとする。

適当です

現場塗装は十分な養生を行った後はスプレー塗装が望ましく、1回の塗装により所定の厚膜300μmを確保するようにします。

現場の施工の制約によりスプレー塗装が不可能な場合にのみ、はけ塗りやローラー塗りは許可されます。はけ塗りの場合は必要厚膜が一度では得られないため、2回塗りとして厚膜を確保します。

まとめ

現場ボルト接合部は平坦な鋼材面と違い、どうしてもボルト間に狭小な空間が生じます。そのため腐食が他の部位より進みやすいので、塗装は入念に行います。

使用する塗料は超厚膜型エポキシ樹脂、塗装はスプレー塗装でまんべんなく、ボルトの細部まで塗料が行きわたるようにします。

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03

正解は「3」です。

ボルト締め後または溶接施工のため塗装困難となる部分は、

あらかじめ塗装を完了させます。

1.正しいです。

塗装部にあるトルシアボルトは、ピンテール跡を必要に応じて

グラインダーなどで平滑処理を行うことが望ましいとされています。

2.正しいです。

文面通り、正しいです。

3.正しいです。

スプレー塗付が基本ですが、作業成約の関係から適切に行えない場合、

事前に十分な検討を行い適切な施工を行うことが可能である事を確認して、

刷毛塗りやローラー塗りによる施工を行います。

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