2級土木施工管理技術の過去問
令和2年度(後期)
鋼構造物塗装 問72

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和2年度(後期) 鋼構造物塗装 問72 (訂正依頼・報告はこちら)

中塗り塗料及び上塗り塗料に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • 中塗り塗料の樹脂は、硬化塗膜への相溶性に優れ、下塗り及び上塗り塗料との塗重ねに支障のないものが用いられる。
  • 上塗り塗料の長油性フタル酸樹脂塗料は、耐水性、耐薬品性、耐熱性に優れ塗膜の硬度も、耐候性が特に優れており塗膜の色や光沢を長期間保持することが期待できる。
  • 中塗り塗料は、上塗りの色が隠ぺい力の大きい赤や黄の場合、仕上りの色調が適正な外観となるよう事前に十分検討する必要がある。
  • 上塗り塗料の主たる機能は、着色や光沢など所要の外観が得られることと、水や酸素が塗膜内に浸透するのを抑制することである。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.誤
中塗り塗料の樹脂は
硬化塗膜への相溶性に”優れている”とはいえません。
2.誤
長油性フタル酸樹脂塗料は粘度が低く作業性に優れていますが、
耐水性や耐薬品性は劣ります。
3.誤
赤や黄で上塗りをおこなう場合隠ぺい力は小さくなります。
4.正
正しい文面です。

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02

中塗り塗料は下塗り塗料と上塗り塗料を一体化させる役割を担うので、付着性が良好なものが採用されます。

上塗り塗料は耐候性の良い樹脂及び顔料を選択することにより、長期間にわたり光沢や色相を保つ機能があります。

選択肢1. 中塗り塗料の樹脂は、硬化塗膜への相溶性に優れ、下塗り及び上塗り塗料との塗重ねに支障のないものが用いられる。

適当ではありません

中塗り塗料は下塗りの硬化を抑えつつ下色を隠蔽し、上塗りの密着性を高める役割を担います。

中塗り塗料の樹脂には、硬化塗膜への密着性に優れ、下塗りや上塗りに用いる塗料との塗り重ねに支障の無いものが用いられます。

硬化塗膜への相溶性に優れているというのは間違いなので、この解は適当ではありません。

選択肢2. 上塗り塗料の長油性フタル酸樹脂塗料は、耐水性、耐薬品性、耐熱性に優れ塗膜の硬度も、耐候性が特に優れており塗膜の色や光沢を長期間保持することが期待できる。

適当ではありません

上塗り塗料のフッ素樹脂塗料は、フッ素樹脂に顔料、硬化剤及び溶剤を主な原料とした二液形塗料であり、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐熱性に優れており塗膜の高度も高いものとなります。特に耐候性が高く、塗膜の色や光沢を長期間保持することが期待できます。

長油性フタル酸樹脂塗料は油性塗料のひとつで、耐アルカリ性や耐候性が劣るため、この解は適当ではありません。

選択肢3. 中塗り塗料は、上塗りの色が隠ぺい力の大きい赤や黄の場合、仕上りの色調が適正な外観となるよう事前に十分検討する必要がある。

適当ではありません

中塗り塗料は、上塗り塗料の色が隠ぺい力の小さい赤や黄である場合、中塗り塗料を不適切な色で施工してしまうと上塗りの外観が想定しているものと異なる可能性があるため、適正な外観が得られるように事前に十分検討する必要があります。

赤や黄の上塗り塗料は下層塗料に対する隠ぺい力が小さく、大きいというのは間違いなのでこの解は適当ではありません。

選択肢4. 上塗り塗料の主たる機能は、着色や光沢など所要の外観が得られることと、水や酸素が塗膜内に浸透するのを抑制することである。

適当です

上塗り材料の主な機能は、着色や光沢などの所要の外観が得られること、また水や酸素が塗膜内に侵入するのを防ぎ塗膜を守ることなどがあります。

上塗り塗料には着色顔料と緻密な被膜を形成する樹脂が用いられ、塗膜の色相や光沢を長期間保持するためには顔料と樹脂の組み合わせにより耐候性を向上させるようにします。

まとめ

下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料の役割と性質をよく覚えておきましょう。

下塗り塗料→水や酸素などの腐食の原因から鋼材を保護する。

中塗り塗料→下塗り塗料を隠蔽しつつ上塗り塗料との密着性を高め、上塗り塗料と近い色を使用する。

上塗り塗料→構造物の外観や光沢を長期間保持し、剥離などが起こらないよう耐候性の高いものを使用し美観も守る。

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03

正解は「4」です。

上塗り塗料の主たる機能として、

必要となる外観を得られることや、

塗料次第で防汚性・防水性・遮熱性などを得られます。

1.間違いです。

中塗り塗料の樹脂は、特段に硬化塗膜への相溶性に

優れるというわけではないです。

2.間違いです。

フタル酸樹脂塗料は、耐水性、耐アルカリ性は劣ります。

3.間違いです。

特に透明性のある赤や黄の顔料の場合、隠蔽力が弱いため、

仕上がり色調を考慮して、施工する必要があります。

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