2級土木施工管理技術の過去問
令和2年度(後期)
鋼構造物塗装 問75

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和2年度(後期) 鋼構造物塗装 問75 (訂正依頼・報告はこちら)

溶融亜鉛めっき面の塗装に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 塗装前処理は、塗膜の付着を阻害する一般的な汚れ、白さび、フラックス残さ、油脂類などのさまざまな付着物などを除去し、密着性が得られる安定的な形に整えたりする目的で行う。
  • 研磨処理は、最も安価であり作業性がよく、塗膜の密着性にばらつきが生じにくい。
  • スィープブラスト処理は、研磨処理に比べて一般に高価となるが塗膜の密着性は優れている。
  • りん酸塩処理は、亜鉛めっき面に油類が付着していたり、白さびがあると処理液と亜鉛が反応しないことからりん酸塩皮膜が形成されない。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.正
正しい文面です。
2.誤
「研磨処理は最も安価であり作業性が良いが、塗膜の密着性にばらつきが“生じやすい。」
3.正
正しい文面です。
4.正
正しい文面です。

参考になった数7

02

融解亜鉛めっきは母材の防せい対策として有効なので、塗替えなどの補修が困難な跨線橋や海上橋などの高構造物に採用されます。

主に美観性を高める景観調和、補修困難な構造物への耐久性の付与、厳しい腐食環境における長期耐久性の保持などの目的があります。

選択肢1. 塗装前処理は、塗膜の付着を阻害する一般的な汚れ、白さび、フラックス残さ、油脂類などのさまざまな付着物などを除去し、密着性が得られる安定的な形に整えたりする目的で行う。

適当です

融解亜鉛めっき面の塗装前処理の素地調整は、安定した塗膜の密着性を確保するための重要な作業です。

主に白さびやフラックス残さ、油脂類や一般的な汚れなどの密着性に影響を与えるあらゆる物質や異変を除去し、また表面の凹凸などを安定した形に整えたりすることで密着性を高める目的で施工されます。

選択肢2. 研磨処理は、最も安価であり作業性がよく、塗膜の密着性にばらつきが生じにくい。

適当ではありません

研磨処理はパワーツール処理とも呼ばれ、塗料の密着性を低下させる要因となるめっき面表面に発生した白さびや付着した塩化物を物理的に除去し、安定した下地を確保する処理方法です。

ワイヤーブラシやスチールタワシなどの手工具やペーパーディスクサンダーなどの電動工具を使用し、最も安価であり作業性も良い反面、塗膜の密着性にばらつきが生じやすくなります。

ばらつきが生じにくいというこの解は適当ではありません。

選択肢3. スィープブラスト処理は、研磨処理に比べて一般に高価となるが塗膜の密着性は優れている。

適当です

スィープブラスト処理は表面の付着物をより高度に除去し、なおかつ表面粗度を確保することで塗膜内部の応力による付着力の低下を防ぎます。これにより長期にわたり安定した密着性の確保が有効となる方法です。

スィープブラスト処理は一般的には研磨処理に比べると高価な処理方法となりますが、塗膜の密着性は優れたものとなります。

選択肢4. りん酸塩処理は、亜鉛めっき面に油類が付着していたり、白さびがあると処理液と亜鉛が反応しないことからりん酸塩皮膜が形成されない。

適当です

りん酸塩処理は亜鉛めっき面に不活性なりん酸塩の緻密な結晶を形成させることで、塗装面をめっき面よりも科学的に安定かつ付着性が高い適度な粗さを得る処理方法です。

監理されたりん酸塩処理液の中に一定時間浸からせるか直接めっき面にスプレーで吹き付ける方法を取りますが、この際に亜鉛めっき面に油類や白さびが存在していると処理液と亜鉛が反応せず、りん酸塩皮膜が形成されません。

まとめ

研磨処理では人力での手作業や手工具によるものは安価な反面、その出来高に差が生じやすくなります。

各解をよく読み解き、言葉の矛盾を見つけられるようにしましょう。

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03

正解は「2」です。

研磨処理は、均一に研磨することが難しいため、

塗膜の密着性にばらつきが生じやすいです。

1.正しいです。

塗装前に化学的処理や物理的処理により除去します。

3.正しいです。

スィープブラスト処理は、亜鉛被膜が剥離しないようにすることや、

研削しすぎないように注意する必要があります。

4.正しいです。

りん酸塩は、亜鉛めっき表面に不活性なりん酸塩の緻密な結晶を形成させるため、

表面に不純物が存在すると、うまくりん酸塩被膜が形成されません。

参考になった数2