2級土木施工管理技術の過去問
令和2年度（後期）
鋼構造物塗装 問84
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和2年度（後期） 鋼構造物塗装 問84 （訂正依頼・報告はこちら）
付着塩分量の測定方法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- ガーゼ拭き取り法は、ぬらしたガーゼで測定面から塩分をふき取るため、有機ジンクリッチペイントやMIO塗膜面は吸い込みが著しいため充分に試料採取できず不正確になる。
- ブレッセル法は、測定セル面積が小さく、局部的な箇所の測定になるので代表点を測定する必要がある。
- ブレッセル法は、X線回折装置などの機器分析と組み合わせて塩分を測るため、実験室に試料を持ち帰って測定する必要がある。
- 電導度法は、測定面から塩分を溶出させて測定するので素材の状態に左右されにくく、溶出濃度はデジタルで表示されるので読み取り誤差が少なく、現場で測定できる。
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この過去問の解説 （3件）
01
付着塩分量について、各測定法の特徴や留意点などを整理することがポイントになります。
ガーゼ拭き取り法は、ガーゼによってふき取り、塩素イオン検知管を用いて測定する方法です。
この測定法は測定面積が広く誤差が少ないです。半面測定結果は表面状況に左右されやすく、無機ジンクリッチペイントやMIO塗膜面、さび面では正確な測定は困難になります。
よって、この記述は不適当です。
ブレッセル法はブレッセルパッチ法とも言って、パッチを使用して塩分付着を確認する方法です。測定結果が表面状況に左右されない特長があります。測定面積が小さいため、測定個所は多くしないと精度が保てません。
よってこの記述は不適当です。
ブレッセル法は、パッチを使用して塩分付着を測定する。塩化物イオン検知管で現場にて簡易測定を行ったり、試料を採取し電気伝導率測定によって測定します。
よって、この記述は不適当です。
電導度法は、表面に付着している塩分を脱イオン水に溶出させて測定します。測定状況に左右されにくく、脱イオン水を補充すれば繰り返し測定が可能で誤差も少ない特徴があります。
ブレッセル法と同じく、測定面積が少ないので多くの測定個所を設ける必要があります。
よって、この記述は適当です。
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02
１）適当ではありません
ガーゼ拭き取り法は、脱イオン水で湿らせたガーゼで鋼材表面０.２５ｍ²を３回拭き取り、そのガーゼを脱イオン水が入ったビーカーに投入し塩化物イオン検知管を入れて塩分量を計測します。
試料を用意に得られて塩分量の誤差が少ない反面、無機ジンクリッチペイントやＭＩＯ塗膜面は吸い込みが激しいので十分な試料を採取するのが難しくなります。
有機ジンクリッチペイントには有効な測定方法です。
２）適当ではありません
ブレッセル法は、塩分を測定する鋼材表面の部位に測定セルを貼り付けて脱イオン水を注射器により注入し、塩分を溶出させます。その試料液を塩化物イオン検知管により濃度を読み取ります。
測定面から塩分を溶出させるので鋼材表面の状態に左右されることはない反面、測定セル面積が小さく局部的な箇所の測定になるので、測定箇所を多数設けて測定する必要があります。
３）適当ではありません
ブレッセル法は、測定する表面状態に左右されにくく測定がスムーズですが、測定面積が小さいという難点があります。
そのためイオンクロマトグラフィーなどの機器分析と組み合わせる必要があります。イオンクロマトグラフィーは水溶液中でイオンとして存在している物質を分離定量する方法で、Ｘ線回折装置ではありません。
４）適当です
電導度法は、鋼材表面に表面塩分計を固定して中に脱イオン水を注入し、塩分系の中で表面の塩分を溶出して測定します。
測定面から塩分を溶出させて濃度を測定するので素材の状態に左右されにくく、溶出濃度をデジタル表示できるので読み取り誤差が少なく済む利点があります。
その反面、局部的な測定なので測定箇所を多く設ける必要があります。
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03
”吸い込みが著しい”ではなく”吸い込みが乏しい”です。
2.誤
代表点を測定するのではなく
必要に応じてその都度、測定する必要があります。
3.誤
持ち帰って測定するのはX線回折装置ではなく
電気伝導率測定です。
4.正
適当です。
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