2級土木施工管理技術の過去問
令和2年度(後期)
薬液注入 問101
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和2年度(後期) 薬液注入 問101 (訂正依頼・報告はこちら)
薬液注入におけるP−Q管理方法での施工管理に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- 注入圧力が極端に低いあるいは上昇しない場合には、薬液のゲルタイムの短縮、粘性の増加などを検討する。
- 注入圧力が極端に高いあるいは異常に上昇する場合には、注入速度を速くし、薬液のゲルタイムの短縮などを検討する。
- 注入圧力が急激に低下した場合には、薬液のゲルタイムの延長、粘性の低下などを検討する。
- 注入により地盤隆起が生じた場合には、注入速度を速くし高い注入圧力での施工を検討する。
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この過去問の解説 (3件)
01
薬液注入におけるP−Q管理は縦軸に注入圧力、横軸に注入速度を取ったものになり、施工管理において重要な管理項目になります。
注入圧力を上昇させるには、薬液の粘性を増加させることで、注入圧力を上昇させることが出来ます。
よってこの選択肢は適当です。
注入圧力が高い場合は、注入速度を遅くし、薬液のゲルタイムを長くしたり、粘性を低下させることで注入圧力を低下させることを検討する必要があります。
よってこの選択肢は不適当です。
注入圧力が低下した場合には、薬液の粘性を増加させることを検討します。
よってこの選択肢は不適当です。
注入速度を高くし、注入圧力が上昇すると地盤隆起の原因となり、地下埋設物や周辺構造物へ影響を与えることになる。注入の際には地盤の変化に留意しながら施工を行う必要があります。
よってこの選択肢は不適当です。
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02
1.適当です。注入圧力が極端に低い又は上昇しない時は、ゲルタイムの短縮または粘性を増加によって早期に流動性を失わせ注入圧力を上昇させる検討が必要です。
2.適当ではありません。注入圧力が極端に高いあるいは異常に上昇する場合には、注入速度の低下、薬液のゲルタイムの延長など注入圧力を下げる検討をします。
3.適当ではありません。注入圧力が急激に低下した場合には、薬液のゲルタイムの短縮、粘性の増加など注入圧力を上昇させる検討をします。
4.適当ではありません。注入により地盤隆起が生じた場合には、注入速度を低下させ低い注入圧力で地盤隆起をさせない施工を検討します。
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03
薬液注入工事では注入圧力と注入量の関係をP-Q管理(圧力計管理)として記録します。X軸を有効注入圧力、Y軸を注入速度としてそれぞれ数値を取り記していくと、最初は右肩上がりに数値が上がって山型の曲線となり、ゆるやかに下降してやがてY軸の注入速度とほぼ平行になります。
管理図には有効注入圧力と注入量の関係性のほか、注入初期に注入圧力が急激に伸びる限界までを記したX軸の有効注入圧力寄りの初期直線勾配線、注入圧力が低下しても注入速度が安定してきた時点を記したY軸寄りの限界勾配線も記入されます。
1)適当です
注入開始からしばらくは注入速度が加速しないため、注入圧力のみが急激に数値を高くします。しかし圧力も上昇しない場合は注入機械の問題、もしくは注入材の粘性が乏しいことによる摩擦の低下が原因となります。
この場合は注入材の粘度を高め、また硬化が早まるようにゲルタイムを短縮するよう硬化剤の量を調整するようにします。
2)適当ではありません
注入圧力は注入を開始してからは急速に高まり、ある地点を超えると上昇がゆるやかになってやがて最高点を超えると徐々に減少します。注入速度が高くなるにつれて圧力は上昇がゆるやかになり安定してきます。
しかし圧力の上昇が止まらない場合は、注入機械の詰まりや注入材の粘度が高く注入速度が上昇しないなどの原因が考えらます。この場合は注入材の粘度を低くするため硬化剤を調整しゲルタイムを長くすることが正しい対処です。
3)適当ではありません
注入圧力は注入開始直後は急激に上昇し、注入速度がある程度高まると安定し緩やかに下降、その後は一定の圧力を示すためP-Q管理図では横ばいとなります。
しかし注入圧力が急激に減少する場合は注入機械の故障や不調以外だと注入材の流動性が急激に高くなった可能性があります。
この場合は硬化剤との混和の不良などが考えられるので、即座に確認対応します。
4)適当ではありません
注入工事の最中に地盤の隆起が生じた場合は、地盤内の薬液の浸透と注入の速度が合わずに注入材が地表へ流出するサインです。
この場合は即座に注入作業を中断し、隆起の原因を追究します。主にゲルタイムが最適なものより短かったために、注入の途中で固まってしまうことが原因として多くなります。
中断後は速やかに必要な措置を講じる必要があります。
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