2級土木施工管理技術の過去問
令和3年度(後期)
鋼構造物塗装 問63

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和3年度(後期) 鋼構造物塗装 問63 (訂正依頼・報告はこちら)

腐食の分類と形態に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • 異種金属接触腐食は、電位の異なる金属が接触し、電解質溶液が存在すると金属間に腐食電池が形成され、卑な金属が酸化(腐食)されることである。
  • 全面腐食は、鋼材表面状態が均一で均質な環境にさらされている場合、全面が均一に腐食する現象であり、腐食速度は速く、短時間で構造物に重大な悪影響を及ぼすことである。
  • 隙間腐食は、金属同士の接触部の隙間部分の金属が腐食される現象で、隙間内部での酸素イオン濃度が高まることによって、隙間内外で濃淡電池が形成され、酸素の多い内部がアノードとなって腐食することである。
  • 孔食は、金属が表面から孔状に侵食される腐食現象であり、不働態皮膜を形成した金属に発生しやすく、皮膜が酸素イオンにより局部的に破壊された部分で腐食が進行して孔が形成されることである。

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この過去問の解説 (3件)

01

適当なものは、 1 です。

1 .異種金属接触腐食は、電位の異なる金属が接触し、電解質溶液が存在すると金属間に腐食電池が形成され、卑(ひ)な金属が酸化(腐食)されることである。

適当です。

異種金属間では電位が異なる為、貴金属に近い(錆びにくい)ものから卑金属に近い(錆びやすい)ものへと電気が流れます。

卑金属(ひきんぞく)とは、金や銀などの貴金属と異なり、空気中や水中などの自然界に単体としては(精製された状態で)存在せず、水素の電位よりもイオン化しやすい(錆びやすい)金属のことを指します。

例:鉄→酸化鉄、カルシウム→水酸化カルシウム、マグネシウム→塩化マグネシウム

2 .全面腐食は、鋼材表面状態が均一で均質な環境にさらされている場合、全面が均一に腐食する現象であり、腐食速度は速く、短時間で構造物に重大な悪影響を及ぼすことである。

適当ではありません。

全面腐食は均一腐食とも言い、鋼材表面がさらされる環境下でゆっくり腐食していきます。下線部の説明は、局部腐食を指しており、特定の部分のみ急速に腐食していきます。

3 .隙間腐食は、金属同士の接触部の隙間部分の金属が腐食される現象で、隙間内部での酸素イオン濃度が高まることによって、隙間内外で濃淡電池が形成され、酸素の多い内部がアノードとなって腐食することである。

適当ではありません。

隙間内部に付着した水分は、ごくわずかな隙間であるため、移動することなくとどまり続けます。その後、溶存酸素イオン濃度は次第に低下していき、その内外で濃淡が生じるため、腐食が進行します。また、酸素濃度が少ない内部がアノード反応()となります

4 .孔食は、金属が表面から孔状に侵食される腐食現象であり、不働態皮膜を形成した金属に発生しやすく、皮膜が酸素イオンにより局部的に破壊された部分で腐食が進行して孔が形成されることである。

適当ではありません。

孔食は、塩化物イオンの多い環境下で発生します。不働態被膜の一部を塩化物イオンが破壊することによってピットと呼ばれる小さな孔ができます。その破壊された部分が集中的に腐食され、孔食が進行します。

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02

正解は「1」です。

金属の自然電位差によって生じるため、電位差のある金属が接触している箇所に、水分があることで電池が構成され、異種金属間で電子のやりとりが行われ、自然電位の低い方の金属に腐食が発生します。

2.間違いです。

全面腐食進行速度は、ゆっくりなため短時間で構造物に大きな影響を与える事はありません。

3.間違いです。

隙間腐食は、隙間部の酸素濃度が低下し、酸素濃度の濃淡が発生することで電池が発生し、腐食が進行します。

4.間違いです。

孔食は、被膜が塩化物イオンによって局所的に破壊されます。

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03

正答(適当なもの)は1です。

設問1は適当です。

設問2の腐食速度が速く、短時間で構造物に重大な悪影響を及ぼすのは局部腐食のことで、全面腐食ではありません。

設問3はカソード反応について書かれており、アノード反応ではありません。

設問4の孔食は、不働態皮膜を形成した金属の一部が破壊され発生するものです。不働態皮膜がある場合には錆に至りません。

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