2級土木施工管理技術の過去問
令和3年度(後期)
鋼構造物塗装 問64
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和3年度(後期) 鋼構造物塗装 問64 (訂正依頼・報告はこちら)
環境と腐食に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 腐食は、雨水や結露水が流下しやすい腹板に比べ、濡れている時間が長いフランジや、桁端部の支承部近傍など水はけが悪く滞水しやすい閉塞箇所で生じやすい。
- 鋼材の腐食速度は、乾湿が繰り返される環境下では気温の影響を受けるため、温度が上昇すると電気分解反応が促進されて腐食速度が大きくなる。
- 海岸部において鋼材がさびやすいのは、飛沫化した海水によって大気中にもたらされた塩分が鋼材表面に付着して腐食反応を促進するためである。
- 腐食環境は、鋼材表面に付着した塩分を洗い流す洗浄作用の有無やその程度、桁端部などの閉塞部などが結露によって湿気がこもるなど、橋各部の構造的要因により異なる。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は「2」です。
温度ではなく湿度によって腐食速度は変化を受けます。
1.正しいです。
金属は、水分に含まれる酸素と水素によって腐食が進行されます。
3.正しいです。
海岸部において飛沫帯により、鋼材は常に薄い海水の膜を覆うことになるため、腐食反応が進行されます。
4.正しいです。
鋼材がさらされる環境によって腐食環境が変化します。
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02
適当でないものは 2 です。
1 .腐食は、雨水や結露水が流下しやすい腹板に比べ、濡れている時間が長いフランジや、桁端部の支承部近傍など水はけが悪く滞水しやすい閉塞箇所で生じやすい。
適当です。
腐食は、鋼材表面に付着する水分が停滞しやすい場所で進行します。
表面に付着する水の中に含まれる溶存酸素イオンと、鋼材表面との酸化還元反応が進むことで、酸素イオンの濃度が低くなります。そうなると大気中の酸素と濃淡が生じ、酸素濃淡電池に起因する酸化還元反応がより進行するのです。
2 .鋼材の腐食速度は、乾湿が繰り返される環境下では気温の影響を受けるため、温度が上昇すると電気分解反応が促進されて腐食速度が大きくなる。
適当ではありません。
鋼材の腐食速度は、気温ではなく湿度の影響がとても大きくなります。そのため、温度が上昇するとそれに伴う相対湿度が低くなるため、腐食速度は小さくなります。
3 .海岸部において鋼材がさびやすいのは、飛沫化した海水によって大気中にもたらされた塩分が鋼材表面に付着して腐食反応を促進するためである。
適当です。
海水に含まれる塩化物イオン(塩素イオン)が鋼材表面に付着することで、鋼材表面に形成している不働態皮膜が破壊されます。破壊された内部に水分が付着し、酸素濃淡電池に起因する酸化還元反応がさらに進行してしまうのです。
4 .腐食環境は、鋼材表面に付着した塩分を洗い流す洗浄作用の有無やその程度、桁端部などの閉塞部などが結露によって湿気がこもるなど、橋各部の構造的要因により異なる。
適当です。
塩分が鋼材表面の不働態皮膜を破壊する腐食は、孔食といい、局部腐食ですが内部での腐食の進行が速い為、発見が遅れると多大な被害となります。また、結露により停滞する水分は酸素濃淡電池に起因する局部腐食で、鋼材表面全体が大気中にさらされて均一に腐食する速度よりも進行が速いです。
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03
正答(適当でないもの)は2です。
設問1のように滞水しやすい箇所は腐食しやすくなります。
設問2の鋼材の腐食速度は、湿度(しつど)の影響を受けますので、設問のように温度(おんど)は誤りです。
設問3は適当です。
設問4は適当です。
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