2級土木施工管理技術の過去問
令和3年度(後期)
薬液注入 問116

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和3年度(後期) 薬液注入 問116 (訂正依頼・報告はこちら)

薬液注入に必要な注入材料としての条件に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 主剤の水ガラスを固める硬化剤の種類や使用量を変化させても、硬化時間が変化しないこと。
  • 使用する材料のみならず、混合したものや固化したものは、高い安全性を確保できること。
  • 使用する材料は、どこでも容易に入手が可能で、取扱いが簡単なこと。
  • 地盤中で固化したものは、一定の必要な期間の間は、安定していること。

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この過去問の解説 (3件)

01

適当でないものは、1です。

薬液注入工事とは、地盤内に薬液を入れて、地盤の強化や透水性を減少することを目的とした工事です。注入剤は溶液系と懸濁(けんだく)系に分けられ、前者は水と薬剤を触れさせ、反応する時間を調整することができ、主に懸濁系よりも早期に対処したい場合に用いられます。後者は固化したときの強度が高く、長期的に安定した地盤を形成するために用いられています。

1 .主剤の水ガラスを固める硬化剤の種類や使用量を変化させても、硬化時間が変化しないこと。

適当ではありません。

水ガラスは上記の説明より、反応の時間(硬化時間)を変化させることができます。

2 .使用する材料のみならず、混合したものや固化したものは、高い安全性を確保できること。

適当です。

薬液注入工事は薬液と水を触れさせて反応させるため、ある程度の期間が生じます。注入、混合しても安全性を確保できない恐れがある場合は、地盤の土砂を置換する方法など、他の工法についても検討します。また、事前にボーリング調査を行い、適切な工法を行うため、再施工とならない様に十分に計画を立てる必要があります。

3 .使用する材料は、どこでも容易に入手が可能で、取扱いが簡単なこと。

適当です。

主な材料は水ガラス、特殊シリカ、セメントなどがあります。薬液はケイ酸ナトリウム、リグニン、ポリイソシアネートなどを含む液体とされています。日本全国で地盤強化の工事が行われているため、より容易かつ安全に施工する必要がある為、設問の条件は重要となります。

4 .地盤中で固化したものは、一定の必要な期間の間は、安定していること。

適当です。

地下水の水質の変化が起こる恐れがある為、施工前に1回、施工中から施工後2週間までは毎日測定(一定の条件を満たせば1週間に1回)、2週間以降は半年まで1ヶ月に2回以上とされています。水質が適用基準に合っていない場合、工事を中止するか必要な措置を取らなければなりません。

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02

1)適当ではありません

薬液注入の主材料である水ガラスは珪酸ソーダまたは珪酸ナトリウムとも呼び、硬化剤の種類により硬化時間が大幅に変化します。

硬化時間により薬液注入方式を選択し、例えば二重管ストレーナ工法では数秒で硬化が始まる瞬結型の注入材を使用し、二重管ダブルパッカ工法では硬化が数十分以上の緩結型の注入材を使用します。

2)適当です

薬液注入工事は地盤内に薬液を注入し固結させることで地盤を強化するものです。

注入材は地下水や周辺の構造物、また草木などの植栽や近隣住民の安全のためにも毒性が無いものを確保します。

注入材料に多く使用させる水ガラスは施工時にはほぼ無毒状態となり、固結に至ると毒性は認められなくなります。

3)適当です

薬液注入工事はあらゆる国土で施工されるため、注入材料は入手が容易でさらに施工現場までの運搬も確実なものでなくてはいけません。

注入材料の水ガラスは専用の容器かローリー車にて運搬され、納入量は起業者立ち合いのもと写真撮影しその納入量を厳密に管理します。

4)適当です

薬液注入の目的は地盤が変状しないように強固なものにする事です。近年薬液注入工事では施工後10年は事後調査工として定期的に標準貫入試験や一軸、三軸圧縮試験などで強度を調査する動きもあります。

また水質に関しても施工後は必要に応じて定期的に水質検査を実施し、毒性が無いことを証明する必要があります。

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03

1.適当ではありません。土質や現場環境によって硬化剤の種類・使用量を変化させ硬化時間を調整させなければなりません。

2.適当です。混合以前・以後どちらであろうと高い安全性は確保できなければなりません。

3.適当です。材料が容易に入手できなかったり、取扱いが複雑だと、工期の遅れや施工ミスにつながります。

4.適当です。地盤中で硬化した薬液はその目的を果たすまで安定していなければなりません。

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