2級土木施工管理技術の過去問
令和3年度(後期)
薬液注入 問117

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和3年度(後期) 薬液注入 問117 (訂正依頼・報告はこちら)

水ガラス系薬液の硬化剤の種類と特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 懸濁型硬化剤は、水ガラスに粒子を含む硬化剤を反応させて固化させる。
  • 懸濁型硬化剤を用いた薬液は、砂層の浸透注入に用いられる。
  • 溶液型薬液のアルカリ系有機硬化剤の反応剤には、グリオキザール等を用いる。
  • 溶液型薬液のアルカリ系無機硬化剤の反応剤には、重炭酸ナトリウム等を用いる。

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この過去問の解説 (3件)

01

適当でないものは、2です。

.懸濁型硬化剤は、水ガラスに粒子を含む硬化剤を反応させて固化させる。

適当です。

水ガラスやシリカをを主剤とする薬液は、薬液系に分類されます。(比較としてセメントやスラグを用いる非薬液系があります。)

2 .懸濁型硬化剤を用いた薬液は、砂層の浸透注入に用いられる

適当ではありません。

主に粘土層に用いられ、圧密強化や、空洞となった地盤の充填を行います。砂層の浸透注入に用いられるのは溶液型硬化剤を用いた薬液です。

3 .溶液型薬液のアルカリ系有機硬化剤の反応剤には、グリオキザール等を用いる。

適当です。

グリオキザールとは、ヒドロキシ基を持つ高分子化合物です(分子式C₂H₂O₂)。有機硬化剤と無機硬化剤の違いとして、有機硬化剤の配合には主剤、硬化剤の他に助剤が含まれています。

4 .溶液型薬液のアルカリ系無機硬化剤の反応剤には、重炭酸ナトリウム等を用いる。

適当です。

アルカリ成分は、重炭酸ナトリウムを用いることで中和されます。重炭酸ナトリウムは皮膚に触れたり目に入ると非常に危険であるので、保護メガネ、防塵マスク、ゴム手袋を着用するようにします。

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02

1)適当です

薬液注入における懸濁型硬化剤は、水ガラスにセメントなど粒子を含んだ硬化剤と反応させて固結させるものです。

ゲル化時間は溶液型よりも長いため、固化までは時間を要しますが強度は溶液型よりも大きく、長期的に安定した改良体を構築します。

2)適当ではありません

懸濁型硬化剤を使用した薬液は主に粘性土または大きな間隙を有する礫質土が施工対象となります。間隙が微小な粘性土は割裂注入とし、地盤内に割裂脈を形成させることで地盤の強度を図ります。

砂層の地盤は溶液型薬液を使用し、浸透注入とすることで土粒子の間隙を埋めて一体化させます。

3)適当です

グリオキザールは溶液型薬液のアルカリ系有機硬化剤の反応剤です。反応性が緩やかなため、水ガラスの成分であるケイ酸ソーダと反応率が高く地盤が強固に改良されます。

水ガラスとグリオキザールが混合された直後の水素イオン濃度が11.4以下になるように調整することで、ゲル化時間にかかわらず完全にゲル化反応が発生して確実な強度を発揮します。

4)適当です

重炭酸ナトリウムは溶液型薬液のアルカリ系無機硬化剤の反応剤です。地盤内にて水ガラスと重炭酸ナトリウムを反応させると二酸化炭素の気泡が生成され、地盤を不飽和化して液状化を防止します。

他の硬化剤よりも安価で不純物も少なく、地下への汚染も少ない反面、固結強度や反応率は有機硬化剤よりも小さくなります。

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03

1.適当です。懸濁型硬化剤はセメント等の粒子を含む硬化剤を反応させて固化させます。

2.適当ではありません。懸濁型硬化剤に適した地盤は粘性土になります。砂層の薬液注入には溶液型が適しています。

3.適当です。グリオキザールは浸透性が高くゲルタイムの調整が容易等の特徴があります。

4.適当です。溶液型薬液のアルカリ系無機硬化剤の反応剤には重炭酸ナトリウム(重曹)などを使用します。

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