2級土木施工管理技術の過去問
令和3年度(後期)
薬液注入 問120

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和3年度(後期) 薬液注入 問120 (訂正依頼・報告はこちら)

薬液注入における改良目的に応じた注入孔への注入順序に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • 平面的に改良範囲が広い場合は、必ず改良範囲の外側から注入を開始する。
  • 深度的順序は、地盤条件と無関係に改良範囲の最下部から上部へ向かって順次ステップ注入する。
  • 既設構造物に近接して注入を行う場合は、原則として構造物の近傍から注入を開始する。
  • 注入対象の地盤内に地下水の流れがある場合は、注入材の流出拡散を防止するために、地下水流の下流側から注入を開始する。

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この過去問の解説 (2件)

01

1 .平面的に改良範囲が広い場合は、必ず改良範囲の外側から注入を開始する。

適当ではありません。

改良範囲の内側から注入を開始することで、改良範囲の重ね合わせ部分を確保しながら地盤全体を強化させることができます。

2 .深度的順序は、地盤条件と無関係に改良範囲の最下部から上部へ向かって順次ステップ注入する。

適当ではありません。

最下部から注入する方式と、上部から注入し、下降しながら地盤に浸透し硬化する方式とに分かれるため、地盤条件により注入の工法は異なります。

3 .既設構造物に近接して注入を行う場合は、原則として構造物の近傍から注入を開始する。

適当です。

既設構造物に圧力が加わると変状や崩壊につながる恐れがありますので、そうならないように、近傍から外側へ注入を行います。

4 .注入対象の地盤内に地下水の流れがある場合は、注入材の流出拡散を防止するために、地下水流の下流側から注入を開始する。

適当ではありません。

注入材は硬化前に地下水に希釈されると環境中へ流出する水質汚濁の危険があります。上流側から行うことで、対象地盤内に残存する地下水は下流側へ自然に排出することができ、希釈されずに注入材を硬化させることができます。

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02

1)適当ではありません

改良範囲が広い場合、また注入範囲がまとまっている場合は、注入材料が地下水を排除しやすいように注入範囲の中心から外側に向かって注入を進めていきます。

範囲の外側から注入を開始すると、地下水が範囲の中心に集中して地盤改良が不良となる原因となるため、この設問は間違いです。

2)適当ではありません

深度的な注入順序は、ステップアップ方式とステップダウン方式の2種類があります。

二重管ストレーナ工法の場合は施工性を考慮し、ステップアップ方式が採用されます。

水平注入工法では改良範囲の上部から下部へと注入を進めることが、注入材料の上噴を抑えつつ施工が可能なので合理的とされています。

3)適当です

薬液の注入作業は通常は地下水の排除を促すために中心から注入を開始し外側へ広げていきますが、注入範囲が既設構造物に近接している場合は構造物の近傍より注入を進めていきます。構造物の近傍より注入すると、注入材が構造物に沿って逸出したり構造物そのものが変状したりする可能性があります。

4)適当ではありません

注入対象範囲の地盤内に地下水の流れを確認した場合は、地下水による注入材料の流出や拡散を防止するために地下水流の上流側より注入を開始します。

下流側から注入すると上流からの地下水が溜まり施工不良となる可能性があります。

工法によっては注入材料が流出するのを防止するための前処理を施す場合もあります。

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