2級土木施工管理技士 過去問
令和5年度(前期)
問9 (土木1 問9)

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問題

2級土木施工管理技術試験 令和5年度(前期) 問9(土木1 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

打撃工法による既製杭の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 群杭の場合、杭群の周辺から中央部へと打ち進むのがよい。
  • 中掘り杭工法に比べて、施工時の騒音や振動が大きい。
  • ドロップハンマや油圧ハンマ等を用いて地盤に貫入させる。
  • 打込みに際しては、試し打ちを行い、杭心位置や角度を確認した後に本打ちに移るのがよい。

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この過去問の解説 (3件)

01

既製杭とは、あらかじめ工場で製作したコンクリートまたは鋼管製の杭のことで、製作後現地へ運搬し打ち込みます。これに対し、現場で製作される杭を場所打ち杭といいます。既製杭の施工は、打ち込み杭工法と埋め込み杭工法の2つに分けられ、設問の打撃工法は打ち込み杭工法に分類されます。

選択肢1. 群杭の場合、杭群の周辺から中央部へと打ち進むのがよい。

杭を周辺から中央に打ち進むと、締固めの影響で抵抗が大きくなり施工が困難になります。そのため、中央から周辺に向けて打ち進むのが望ましいです。よって設問は不適当です。

選択肢2. 中掘り杭工法に比べて、施工時の騒音や振動が大きい。

中堀り工法は簡単に説明すると中空になった杭の先端からオーガ(回転するドリルのような機械)により先に地面を掘削して、その後に杭を入れていく工法で、埋め込み杭工法に分類されます。打撃で杭を入れていくほうが先に地盤を掘って埋めるよりも振動・騒音が大きいのは想像がつくかと思います。よって設問は適当です。

選択肢3. ドロップハンマや油圧ハンマ等を用いて地盤に貫入させる。

設問の通り、重量のあるハンマーにより杭を打撃し地盤に貫入させる、シンプルな工法です。よって設問は適当です。

選択肢4. 打込みに際しては、試し打ちを行い、杭心位置や角度を確認した後に本打ちに移るのがよい。

設問の通りです。最初から全力で打撃を行うと杭が傾いた場合の調整ができません。最初は軽打にて打ち込み、杭の傾斜等を確認しながら本打ちをします。よって設問は適当です。

まとめ

既製杭工法の分類は下記となります。

打込み杭工法(打撃工法、振動工法、圧入工法)

埋込み杭工法(プレローディング工法、中堀り杭工法、回転杭工法など)

全ての工法の特徴を覚えるのは大変ですが、設問の内容(杭は中央から周辺に向かって打つ、打ち込み杭工法は振動・騒音が大きい、といった特徴)は最低限覚えておくとよいです。

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02

打撃工法による既製杭の施工の設問になります。ポイントを覚えて確実に押さえましょう。 

選択肢1. 群杭の場合、杭群の周辺から中央部へと打ち進むのがよい。

適当ではありません。一般に、群杭を打設する際には、中央部から周辺部へと打ち進むのが望ましいです。周辺から打ち進むと、中央部の土圧が変動し、杭の位置や垂直性が狂う可能性があります。中央から打設することで、全体の土圧が均等に分散されやすくなります。

選択肢2. 中掘り杭工法に比べて、施工時の騒音や振動が大きい。

正しいです。打撃工法は、ドロップハンマや油圧ハンマを用いるため、施工時に大きな騒音や振動が発生します。一方、中掘り杭工法(オーガー掘削法など)は、これらに比べて騒音や振動が少ないです。

選択肢3. ドロップハンマや油圧ハンマ等を用いて地盤に貫入させる。

正しいです。打撃工法では、ドロップハンマや油圧ハンマなどの打撃装置を用いて杭を地盤に打ち込んでいきます。これにより、杭を所定の深さまで貫入させます。

選択肢4. 打込みに際しては、試し打ちを行い、杭心位置や角度を確認した後に本打ちに移るのがよい。

正しいです。打撃工法においては、試し打ちを行い、杭心位置や角度、地盤の反応を確認した後に本打ちを行うことで、施工精度を高めることができます。

まとめ

打撃工法による既製杭の施工について、しっかりと押さえていきましょう。

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03

既製杭の打撃工法の問題です。

それぞれの工法の特徴をおさえて回答しましょう。

選択肢1. 群杭の場合、杭群の周辺から中央部へと打ち進むのがよい。

間違いです。群杭の施工時に周辺から中央に施工すると締固めの影響が増大して、抵抗が大きくなり貫入不足となるので中央から周辺へ施工します。

選択肢2. 中掘り杭工法に比べて、施工時の騒音や振動が大きい。

正解です。打撃工法は打撃による騒音や振動が中堀杭工法に比べて大きいです。

選択肢3. ドロップハンマや油圧ハンマ等を用いて地盤に貫入させる。

正解です。打撃工法はドロップハンマやディーゼルハンマ、油圧ハンマなどのハンマで杭頭部を打撃します。

選択肢4. 打込みに際しては、試し打ちを行い、杭心位置や角度を確認した後に本打ちに移るのがよい。

正解です。打撃工法だけでなく一般的に試し打ちを行い、その後に本施工になります。

まとめ

打撃工法の手順やポイントをしっかり覚えましょう。

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