2級土木施工管理技術の過去問
令和5年度(前期)
土木2 問4
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度(前期) 土木2 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
河川堤防の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 堤防の腹付け工事では、旧堤防との接合を高めるため階段状に段切りを行う。
- 引堤工事を行った場合の旧堤防は、新堤防の完成後、ただちに撤去する。
- 堤防の腹付け工事では、旧堤防の裏法面に腹付けを行うのが一般的である。
- 盛土の施工中は、堤体への雨水の滞水や浸透が生じないよう堤体横断方向に勾配を設ける。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は河川堤防の施工に関する知識がないと難しいですが、適当でないものは、用語を知らなくても一般的に考えて違和感のある文章である場合が多いので、注意深く問題を読み、解答してみてください。
段切りを行うことで旧堤防面とのなじみをよくし、接着性が高まります。三角形の積み木を2つ重ねるだけだとすべりやすいですが、でこぼこの形のものを合わせるとすべりにくい、といったイメージです。
堤防が完成してすぐは本体の圧密沈下や法面の芝が根付いていないなどの可能性があり、落ち着くまで時間を要するため、原則3年間は撤去をしないこととなっています。よって設問は不適当です。
設問の通りです。裏法面に腹付けを行うが正解ですが、過去問では表法面で誤りとする問題がでており、注意が必要です。よって設問は適当です。
施工中の盛土に水がたまると盛土本体の弱体化につながります。よって施工中は適切に排水を行う必要があるため、横断方向に勾配を設けます。よって設問は適当です。
ただちに、~しなければならない、といった断定的な言い方は適当でない文章の場合が多いです。(もちろんそうでない場合もありますが)設問の知識がなくても、正解を導くヒントになることもあるでしょう。
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02
河川堤防は比較的出題の頻度が高いので、語句をよく覚えておきましょう。
特に「表腹付け」は河川側に堤防を拡幅することで「裏腹付け」は河川と反対の河川裏側に堤防を拡幅することを意味します。
このあたりの語句の引っ掛け問題などもあるので注意が必要です。
適当です。
堤防の腹付け工事は既存の堤防を拡築する場合に旧堤防に施す盛土を意味します。
既存堤防は新たに腹付けする接合部を階段状に段切りし、その段切高は50cm程度として外向きに3~5%の横断勾配をつけます。
段切りをすることで新規盛土が在来堤防の旧法面となじみ、より堤防が安定します。
よってこの設問は適当なため、不正解となります。
適当ではありません。
新堤の設置後は堤防法面の植生の育成や堤防本体の締固めの状況を確認する必要があります。そのため旧堤は新堤工事が完了後、原則として3年間は除去することは禁止されています。
やむを得ない事情により3年以内に旧堤を撤去する必要がある場合は、新堤の表法をH.W.L.までコンクリートブロック張などで覆うようにします。
よってこの設問は適当ではないため、正解となります。
適当です。
腹付けは一般的には河川側の表法に腹付けする表腹付けではなく、陸側の裏法面に拡築する裏腹付けとします。陸側に盛土する土地が確保できないなどの特殊な場合に限り、表腹付けが認められています。
裏腹付けの最小幅は0.5~1.5m程度とします。
よってこの設問は適当なため、不正解となります。
適当です。
堤防施工時の盛土では雨水による堤体への浸水や滞水を防止するなどの目的のために、堤体横断方向に勾配を設けますが、その際は堤防の上下流方向に直交する方向となる横断勾配とします。
上流側は勾配を1:1~1:2程度に、下流はそれよりも緩い勾配とすることで、雨水などの排水を促し水流を緩やかにしつつ下流の洗堀を防止します。
よってこの設問は適当なため、不正解となります。
堤防にとって大事なことは締固めを正しく施工して強固な堤体に施工することと、大敵である水分の侵入を防止することです。
また旧堤は新堤完成後は速やかに撤去しても良いと考えるかもしれませんが、万一新堤が崩壊するなどの可能性も考慮して3年はそのままにします。
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