2級土木施工管理技術の過去問 令和5年度(前期) 土木2 問16
この過去問の解説 (2件)
鉄道工事における道床及び路盤に関する問題です。普段線路を目にする機会は多いと思いますが、この問題は机上での知識がないと解けません。道床及び路盤の施工上の留意事項を覚えておきましょう。
レールやまくら木の下の部分を道床といい、レールや枕木の荷重を受けるクッションの役割をしています。私たちが普段よく目にする、バラスト(砕石)が敷かれた線路をバラスト道床といいます。安価であり施工・保守が容易ですが、まくら木の沈下やレールのずれなどが生じるため、修正・修復が必要となります。よって設問は適当です。
バラスト道床は、耐摩耗性に優れ、単位容積質量やせん断抵抗角が大きい砕石を選定します。よって設問は不適当です。
鉄道の路盤は、鉄道の軌道を支える土台となるものです。強固で適当な弾性をもち、道床内の水を速やかに排除することが求められます。よって設問は適当です。
路盤の種類は強化路盤(粒度調整砕石を用いた砕石路盤、スラグ砕石を用いたスラグ路盤)、良質土やクラッシャランを用いた土路盤、岩盤上にコンクリートを打設した岩盤上の路盤などがあります。よって設問は適当です。
鉄道工事に関する知識がないと難しい問題ですが、普段目にする線路の構造を考えると、
・バラスト道床は、安価で施工・保守が容易であるが定期的な軌道の修正・修復が必要である。
・路盤は、軌道を支持するもので、十分強固で適当な弾性を有し、排水を考慮する必要がある。
上の選択肢の内容が正しいことが導けると思います。
鉄道工事での軌道の役割は、列車を走行させるための通路であり、大きく分けて上からレール、枕木、道床、路盤、路床で成り立っています。
レールは列車を走行させるために車輪を載せる部分、枕木はレールを支えて衝撃を道床に伝える部材、道床は列車走行時の振動や荷重を吸収しつつ路盤へ伝える役目、路床は本来そこにある地盤を整地し軌道全体の土台となる部分です。
適当です。
バラスト道床は枕木の下に敷設して列車走行時の輪重衝撃を緩和させる目的で使用されます。
バラスト道床は施工が安価で緩衝材としての機能も優れているため、ほとんどの軌道工事で使用されます。その反面、列車の繰り返しの通過により不同沈下が発生し、定期的な軌道保守作業が必要となります。
よってこの設問は適当であるため、不正解となります。
適当ではありません。
バラスト道床に用いる岩石は花こう岩や安山岩などの硬い性質の岩石を採用します。各粒径が適度に混合し可能な限り角ばった形状のものを選定することで、せん断抵抗角は大きくなり道床が密となって安定します。
繰り返される列車通行の際の荷重を受けるために摩耗や破損に対する耐久性が必須なので、せん断抵抗角が小さいと変形が発生し枕木などの変位の原因となります。
よってこの設問は適当ではないため、正解となります。
適当です。
路盤は軌道と路床の間にある層で、軌道を支持し道床から伝わった荷重や振動を路床に伝える役割を担います。
路盤は列車通行の際の振動などによる軌道の狂いを防止するため弾性に富んだ状態である必要があります。また排水状態が悪いと噴砂現象などを引き起こす可能性があるため、3%ほど排水勾配を設けて排水溝に水が流れるようにします。
よってこの設問は適当であるため、不正解となります。
適当です。
路盤には強化路盤と土路盤、岩盤上の路盤があります。
強化路盤は粒度調整砕石を締固めた上にアスファルトコンクリートを敷設した砕石路盤、水硬性粒度調整高炉スラグ砕石のみを使用したスラグ路盤があります。
土路盤には粒度を規制した良質土やクラッシャーランなどを締固めた土路盤などがあります。
岩盤上の路盤は岩盤の状態により構造を決定するもので、軟岩及び脆弱岩の場合は強化路盤、硬岩の場合は切取岩盤上にコンクリートを打設して路盤面とします。
よってこの設問は適当であるため、不正解となります。
バラスト道床は出題頻度が多く、材質なども出題される場合があります。
また、軌道は野外では盛土が必要な場合がほとんどなので、盛土の設計も出題される可能性もあります。列車の荷重に耐えうるため、通常の盛土とは施工条件が一部違うため、ひととおり目を通しておくと良いでしょう。
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