2級土木施工管理技術の過去問
令和5年度(前期)
土木4 問6

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度(前期) 土木4 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

労働者の危険を防止するための措置に関する次の記述のうち、労働安全衛生法上、誤っているものはどれか。
  • 橋梁支間20m以上の鋼橋の架設作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用する。
  • 明り掘削の作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用する。
  • 高さ2m以上の箇所で墜落の危険がある作業で作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、要求性能墜落制止用器具を使用する。
  • つり足場、張出し足場の組立て、解体等の作業では、原則として要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、要求性能墜落制止用器具を使用する。

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この過去問の解説 (3件)

01

労働安全衛生法に関する問題です。内容だけでなく、基準となる数値も把握していないと正解がわからないため、比較的難しい問題だといえるでしょう。

選択肢1. 橋梁支間20m以上の鋼橋の架設作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用する。

橋梁支間20m以上ではなく30m以上の鋼橋の架設作業を行う場合となっているため、設問は不適当です。

選択肢2. 明り掘削の作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用する。

設問の通りです。明かり掘削(トンネルなどの地下での堀削に対して地上での堀削のことです)作業時は物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用します。よって設問は適当です。

選択肢3. 高さ2m以上の箇所で墜落の危険がある作業で作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、要求性能墜落制止用器具を使用する。

設問の通りです。高さが2m以上の高所作業において、作業床を設けることが困難なときは、要求性能墜落制止用器具を使用することとしています。なお、労働安全衛生法施行令の一部改正によリ、安全帯の名称が墜落制止用器具に改められています。よって設問は適当です。

選択肢4. つり足場、張出し足場の組立て、解体等の作業では、原則として要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、要求性能墜落制止用器具を使用する。

設問の通りです。つり足場、張出し足場又は高さが二メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業時には、要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる措置を講ずることとしています。よって設問は適当です。

まとめ

一見するとどの問題も誤っている箇所がないようにみえます。こういった場合は書かれている数値の間違いがないか、疑ってみるとよいでしょう。

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02

労働安全衛生規則は労働者の安全と健康を確保し、快適な作業環境を作り出すために厚生労働省から施行されました。

建設業に属する事業者はこの法に基づいて労働者の身の安全のために必要な措置を講じ、労働者もまた事業者の指導に従ってお互いが事故防止に努めなければいけません。

選択肢1. 橋梁支間20m以上の鋼橋の架設作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用する。

誤りです。

事業者は、橋梁の上部構造であって金属製の部材によって構成されているもののうち、橋梁支間が30m以上であるものの架設や解体、変更の作業に労働者を従事させるときは、当該労働者に保護帽を着用させなければいけません。

保護帽着用により落下物や飛来物から労働者の身の安全を確保し、労働者もまた保護帽の着用を義務つけられています。

労働安全衛生規則 第二編 第八章の三 鋼橋架設等の作業における危険の防止 

第五百十七条の十 保護帽の着用

よってこの設問は誤りのため、正解となります。

選択肢2. 明り掘削の作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用する。

正しいです。

明り掘削とはトンネルや地下で常に照明が必要な場所ではなく、日中は露天状態で日照により作業を進めることができる掘削のことです。

事業者は明り掘削の作業を行うとき、物体の飛来や落下などで労働者の身に危険が及ばないように、当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければなりません。

また、労働者もこれを拒否せず保護帽を着用しなければなりません。

労働安全衛生規則 第二編 第六章 掘削作業等における危険の防止

第三百六十六条 保護帽の着用

よってこの設問は正しいため、不正解となります。

選択肢3. 高さ2m以上の箇所で墜落の危険がある作業で作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、要求性能墜落制止用器具を使用する。

正しいです。

事業者は、高さが2m以上の作業床の端や開口部等において、墜落により労働者に危険が及ぶ恐れのある箇所には囲いや手すりなどを設けなければいけません。

もし囲いなどの取付が困難な場合は防網を張り、さらに労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させて労働者の墜落事故を未然に防ぐ措置を講じなければいけません。

労働安全衛生規則 第二編 安全基準

第九章 墜落等による危険の防止

第一節 墜落等による危険の防止 第五百十九条 作業床の設置等

よってこの設問は正しいため、不正解となります。

選択肢4. つり足場、張出し足場の組立て、解体等の作業では、原則として要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、要求性能墜落制止用器具を使用する。

正しいです。

事業者はつり足場や張出し足場、また高さ2m以上の足場の組立て及び解体変更を行うときは、労働者の危険防止のための措置を講ずることが定められています。

主な措置は幅44cm以上の作業床を設けること、要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備を設け、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させることです。

労働安全衛生規則 二編 安全基準

第十章 通路、足場等 第二節 足場

第二款 足場の組立て等における危険の防止

第五百六十四条の四 足場の組立て等の作業

よってこの設問は正しいため、不正解となります。

まとめ

橋梁支間は橋梁の桁部分を支える橋脚と橋台の支承中心間の距離のことです。橋梁の架設では橋の吊り上げ作業があるため保護帽が必須ですが、橋梁支間が30m以下のものは小規模鋼橋梁であるので保護帽は義務ではありません。

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03

労働安全衛生法に関する設問になります。ポイントを覚えて確実に押さえましょう。 

選択肢1. 橋梁支間20m以上の鋼橋の架設作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用する。

適当でないです。橋梁の上部構造でコンクリート造り(高さ5m以上又支間が30m以上)の架設、又は変更作業の際に保護帽を着用します。

選択肢2. 明り掘削の作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用する。

正しいです。掘削作業時には、上方からの落下物の危険があるため、保護帽の着用が求められます。

選択肢3. 高さ2m以上の箇所で墜落の危険がある作業で作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、要求性能墜落制止用器具を使用する。

正しいです。作業床が設置できない場合は、安全対策として防網や墜落防止装置の使用が求められます。

選択肢4. つり足場、張出し足場の組立て、解体等の作業では、原則として要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、要求性能墜落制止用器具を使用する。

正しいです。足場作業は墜落の危険性が高いため、墜落制止用器具の使用が義務付けられています。

まとめ

労働安全衛生法について、しっかりと押さえていきましょう。

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