2級土木施工管理技術の過去問
令和5年度(後期)
鋼構造物塗装 問3
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度(後期) 鋼構造物塗装 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
鋼材の腐食形態と分類に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- 異種金属接触腐食は、電解質溶液中で電位の異なる金属が接触した場合に、これらの金属間に腐食電池が形成され、卑な金属が腐食される現象である。
- 孔食は、ステンレス鋼等の不働態皮膜を形成した金属に発生しやすく、不働態皮膜が水や酸素によって局所的に破壊され、そこがアノードとなり腐食が進行して孔が形成される現象である。
- 隙間腐食は、金属同士の接触部の隙間部分の金属が腐食される現象で、腐食が進行するにつれて鉄イオンや水素イオンが蓄積し、塩分濃度の増加とpHの低下が進むため腐食反応は抑制される。
- 局部腐食は、鋼材表面状態又は環境の不均一によって腐食が局部に集中して生じる現象であり、腐食される場所が固定されるため、腐食速度は全面腐食の場合に比べて小さくなる。
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この過去問の解説 (2件)
01
鋼材の腐食形態と分類に関する問題です。
難しいと感じる方は、理解できる分だけでも頭に入れておきましょう。
これは適当です。
異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)は、異なる電位を持つ金属が接触したときに電解質中で腐食電池が形成され、電位の低い金属(卑な金属)が腐食される現象です。
間違いです。
孔食は、表面が局部的に孔状に深く侵食される現象です。
正しくは、「不働態皮膜が
水や酸素塩化物イオンによって局所的に破壊され」です。間違いです。
隙間腐食は、隙間部分の金属が腐食される現象ですが、腐食が進行するにつれて鉄イオンや水素イオンが蓄積し、塩分濃度の増加とpHの低下が進むことで腐食反応が促進されます。
腐食反応が抑制されるのではなく、逆に加速されます。
間違いです。
局部腐食は、鋼材表面や環境の不均一によって腐食が局部に集中して生じる現象ですが、腐食速度は必ずしも全面腐食の場合に比べて小さくなるわけではありません。
むしろ、局部腐食の方が腐食速度が大きくなることがあります。
鋼材の腐食形態についての要所をおさえておきましょう。
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02
鋼材の腐食形態と分類に関する問題です。ポイントをしっかり押さえましょう。
正しいです。
異種金属を電気が流れやすい状態で接触させた場合に生じる腐食を「異種金属接触腐食」と言います。この腐食は、水中や水がかかった状態で、電位差のある金属が接触することで発生します。水がかかることで、金属同士が電池のような構造を作り、異なる金属間で電子のやりとりが行われるためです。この現象は、金属の自然電位差によって起こり、自然電位の低い金属が腐食します。
間違いです。
孔食は、表面が局部的に点、または孔状に深く侵食される現象です。 溶液中の塩化物イオンの影響で、ステンレス鋼の表面に付着した異物などを起点として、局所的に不動態皮膜が破壊され、その部分がアノード反応、他の部分がカソード反応となって局部電池を形成し、その位置が固定されて継続的に進行する場合に生じます。
ポイントは、水や酸素ではなく塩化物イオンの影響によります。
間違いです。
隙間腐食は、隙間部分において酸素供給が不足し、局所的に腐食が進行する現象です。鉄イオンや水素イオンの蓄積により腐食反応が進行しやすくなります。抑制されるわけではありません。
間違いです。
局部腐食は、局所的に腐食が進行するため、むしろ腐食速度が速く、全面腐食に比べて深刻な影響を及ぼすことがあります。
鋼材の腐食形態と分類について、しっかりと押さえましょう。
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