2級土木施工管理技術の過去問
令和5年度(後期)
薬液注入 問6

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この過去問の解説 (2件)

01

地下水位低下工法に関する設問になります。ポイントを覚えて確実に押さえましょう。

選択肢1. 地下水位低下工法が採用される地質は、シルト質砂から砂礫層に至る透水係数がほぼ10−3〜10−6m/sの範囲である。

正しいです。地下水位低下工法は、透水性のあるシルト質砂から砂礫層のような地質で有効です。この範囲の透水係数は、一般的に地下水位低下工法で扱われるものです。

選択肢2. ウェルポイント工法は、強力な真空ポンプを併用し、地盤中の水を強制的に吸引して揚水する工法であり、真空を利用して排水するため、揚水可能な深さは実用上6m程度である。

正しいです。ウェルポイント工法は、真空ポンプを使用して地盤中の水を揚水しますが、その揚水可能な深さは通常6m程度です。

選択肢3. ディープウェル工法は、井戸を掘削底面以下まで掘り下げ、重力によって地下水を集水してポンプで揚水するため、透水係数が大きくなると重力の作用のみでは地下水の集水が困難となる。

適当ではありません。ディープウェル工法は、地下水を井戸に集めてポンプで揚水する工法です。透水係数が大きく施工範囲が広い場合、大量の湧水が発生する場合に適しています

選択肢4. 地下水位低下工法を採用する場合は、対象とする砂層中に連続した不透水層の存在があると目的とする水位低下の効果が得られないこともある。

正しいです。不透水層があると、地下水の流動が遮られたり、効果が限定的になるためです。

まとめ

地下水位低下工法について、しっかりと押さえていきましょう。

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02

地下水位低下工法に関する項目を押さえておきましょう。

数値も頭に入れておかなければならず、難しいですが、この設問の内容についてはこの際覚えておきましょう。

選択肢1. 地下水位低下工法が採用される地質は、シルト質砂から砂礫層に至る透水係数がほぼ10−3〜10−6m/sの範囲である。

適当です。

地下水位低下工法とは、地盤中の地下水位を低下させることにより、それまで受けていた浮力に相当する荷重を下層の軟弱層に載荷して、圧密を促進するとともに地盤の強度増加を図る工法です。

地下水位低下工法は,軟弱な地盤上に直接盛土荷重を載荷せずに,圧密の促進や強度増加が図れるため,すべり破壊が生じる恐れのある軟弱地盤に対して,より安定な状況で施工することが可能です。

 

地下水位低下工法は、
・地下水位が比較的浅い地盤
・下層部に粘性土層が厚く体積していない地盤
・液状化する対象の層の透水係数が高い地盤
のような地盤に適しています。
シルト質砂から砂礫層に至る地層がある場合は、透水係数はほぼ10⁻¹〜10⁻⁴cm/sの範囲だとウェルポイント工法がより適しています。

選択肢2. ウェルポイント工法は、強力な真空ポンプを併用し、地盤中の水を強制的に吸引して揚水する工法であり、真空を利用して排水するため、揚水可能な深さは実用上6m程度である。

適当です。

ウェルポイント工法とは、掘削部の片側または、周囲にウェルポイントと称する小さな井戸を多数設置し、真空吸引する事によって地下水を集め、揚排水する工法です。
比較的透水性の少ない土層にも適用されます。

選択肢3. ディープウェル工法は、井戸を掘削底面以下まで掘り下げ、重力によって地下水を集水してポンプで揚水するため、透水係数が大きくなると重力の作用のみでは地下水の集水が困難となる。

適切でありません。

ディープウェル工法は、主に透水係数が大きな地盤(例えば砂礫層など)で効果的に使用されます。

透水係数が大きいほど、水の流れが良くなり、重力の作用により地下水が効率よく井戸に集まります。

このため、透水係数が大きくなっても、地下水の集水が困難になるわけではありません。

むしろ、透水係数が大きい地盤で効果を発揮する工法です。

 

選択肢4. 地下水位低下工法を採用する場合は、対象とする砂層中に連続した不透水層の存在があると目的とする水位低下の効果が得られないこともある。

適当です。

地下水位低下工法では、砂質シルト層など完全な不透水層でない場合は、
鉛直方向の透水係数を試験し、下部からの流入量を検討する必要があります。

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