2級土木施工管理技術の過去問
令和5年度(後期)
薬液注入 問14

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度(後期) 薬液注入 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

薬液注入の注入圧力に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 注入圧が極端に高い場合の原因としては、注入速度が速く、ゲル化時間が短すぎる等の注入仕様の問題が考えられる。
  • 注入圧は、原則として土かぶり圧、間隙水圧、近接構造物等の条件によって許容される最大圧力以下でなければならない。
  • 粘性土では、割裂抵抗が大きく高い注入圧でも浸透注入になる場合が多い。
  • 砂質土では、ゲル化時間の長い溶液型の薬液の注入圧は小さい。

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この過去問の解説 (3件)

01

薬液注入のポイントを押さえればとける問題です。

問題文をよく読み、消去法で解きましょう。

選択肢1. 注入圧が極端に高い場合の原因としては、注入速度が速く、ゲル化時間が短すぎる等の注入仕様の問題が考えられる。

適当です。

注入圧が極端に高くなる原因には、注入速度が速すぎることや、ゲル化時間が短すぎることが含まれます。

これにより、薬液が適切に浸透せず、圧力が必要以上に上昇することがあります。

選択肢2. 注入圧は、原則として土かぶり圧、間隙水圧、近接構造物等の条件によって許容される最大圧力以下でなければならない。

適当です。

そのとおりです。

許容される最大圧力を超えると、地盤や構造物にダメージを与える可能性があります。

選択肢3. 粘性土では、割裂抵抗が大きく高い注入圧でも浸透注入になる場合が多い。

適当でありません。

粘性土では、むしろ薬液が広がりにくく、浸透注入が難しいのが一般的です。

高い注入圧をかけても、薬液が浸透するよりも、割れ目を作ることが多くなります。

※割裂抵抗: 粘性土は割れにくく、薬液が地盤に浸透しづらいです。これを「割裂抵抗が大きい」といいます。

選択肢4. 砂質土では、ゲル化時間の長い溶液型の薬液の注入圧は小さい。

適当です。

砂質土地盤での薬液注入では、浸透抵抗の小さい薬液であるほど注入圧力が小さくなるため、ゲル化時間が短いと浸透する前に固結してしまう可能性があります。

砂質土に使用する注入材は、浸透させる必要があるため、ゲル化時間の長いものを適用します。

 

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02

薬液注入の注入圧力に関する設問になります。ポイントを覚えて確実に押さえましょう。

選択肢1. 注入圧が極端に高い場合の原因としては、注入速度が速く、ゲル化時間が短すぎる等の注入仕様の問題が考えられる。

正しいです。注入圧が高くなる原因として、注入速度が速すぎたり、ゲル化時間が短すぎて薬液が固化し始めている場合があります。これにより、流動性が失われ、圧力が上昇します。

選択肢2. 注入圧は、原則として土かぶり圧、間隙水圧、近接構造物等の条件によって許容される最大圧力以下でなければならない。

正しいです。注入圧は、周囲の地盤や近接構造物に影響を与えないよう、事前に設定された許容圧力以下で行う必要があります。

選択肢3. 粘性土では、割裂抵抗が大きく高い注入圧でも浸透注入になる場合が多い。

適当でないです。粘性土の細かい粒子間には、非常に小さな空隙(孔隙)が存在しますが、これらの孔隙は水や薬液の流れをほとんど妨げるため、薬液が土の中に均等に広がるのは難しくなります。また、高圧で薬液を注入すると、粘性土の内部で土壌の応力が集中しやすくなります。この結果、土壌内に微小な割れ目や亀裂が発生することがあり、薬液はこれらの割れ目に沿って流れる傾向があります。結果、浸透注入は難しくなります。

選択肢4. 砂質土では、ゲル化時間の長い溶液型の薬液の注入圧は小さい。

正しいです。砂質土は透水性が高いため、薬液が浸透しやすいという性質があり、このため薬液を押し込むために大きな圧力が必要ありません

まとめ

薬液注入の注入圧力について、しっかりと押さえていきましょう。

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03

薬液注入工法では、地盤中に薬液を注入する際に、注入圧力を適切に設定することが非常に重要です。注入圧力が低すぎると、薬液が十分に地中に浸透せず、改良効果が得られない可能性があります。一方で、注入圧力が高すぎると、地盤が破損したり、周辺構造物に影響を与えたりする恐れがあります。

選択肢1. 注入圧が極端に高い場合の原因としては、注入速度が速く、ゲル化時間が短すぎる等の注入仕様の問題が考えられる。

適当です。

注入速度が速すぎると、薬液が急速に固まり、注入圧力が高くなる傾向があります。また、ゲル化時間が短すぎると、薬液が十分に地中に浸透する前に固まってしまい、注入圧力が高くなることがあります。

選択肢2. 注入圧は、原則として土かぶり圧、間隙水圧、近接構造物等の条件によって許容される最大圧力以下でなければならない。

適当です。

注入圧力は、地盤の強度や周辺構造物の耐力などを考慮して、適切な範囲に設定する必要があります。土かぶり圧や間隙水圧が低い場合、許容される注入圧力も低くなります。

選択肢3. 粘性土では、割裂抵抗が大きく高い注入圧でも浸透注入になる場合が多い。

適当ではありません。

粘性土は、割裂抵抗が大きい一方で、粘性が高いため、薬液が浸透しにくく、高い注入圧力をかけても割裂しにくい傾向があります。そのため、浸透注入は困難な場合が多く、割裂注入が選択されることがあります。

選択肢4. 砂質土では、ゲル化時間の長い溶液型の薬液の注入圧は小さい。

適当です。

砂質土は空隙が多く、透水性が高いため、薬液が浸透しやすく、比較的低い注入圧力で注入できます。ゲル化時間が長い薬液は、砂中に浸透する時間が長くとれるため、低い注入圧力で注入することができます。

まとめ

薬液注入の注入圧力は、地盤の種類、薬液の性質、周辺環境など、様々な要因によって決定されます。注入圧力を適切に設定することで、地盤の改良効果を高め、周辺構造物への影響を最小限に抑えることができます。

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