二級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科1(建築計画) 問25

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問題

二級建築士試験 平成27年(2015年) 学科1(建築計画) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

我が国における環境・省エネルギーに配慮した建築・設備計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 夏期の冷房時における窓面からの日射負荷を低減するために、西面の窓には可動式垂直ルーバーを計画した。
  • CASBEE(建築環境総合性能評価システム)におけるBEE(建築物の環境性能効率)を高めるため、建築物の環境品質( Q )の数値を大きく、かつ、建築物の環境負荷( L )の数値が小さくなるように計画した。
  • 雨水利用システムにおける雨水の集水場所を、屋根面とした。
  • 配電線路における電力損失を低減するために、配電電圧を高めた。
  • 空気熱源マルチパッケージ型空調機は、成績係数の小さい機器を採用した。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は設問5です。

設問1 南面は太陽高度が高いため水平ルーバー、西面は太陽高度が低いため垂直ルーバーが日射遮蔽に有効です。

設問2 設問の通りです。CASBEEは計算結果の数値が大きいほど環境にやさしい建物と評価されます。

設問3 設問の通りです。

設問4 電圧が高いほど、電流が小さくなり電線の径を細くすることができます。

設問5 成績係数(COP)は数値が大きいほど性能がいいことを表します。

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02

正解は5です。

1、太陽高度の高い南面は水平ルーバーが有効です。
また西面では、西日がきつく太陽高度が低いため垂直ルーバーが有効です。

2、CASBEEは環境性能に対する指標になります。
数値としては、建築物の環境品質(Q)/建築物の環境負荷(L)で表されます。
建築物の環境品質とは室内、室外環境やサービス性能など建築物での性能のことです。
建築物の環境負荷とはエネルギーや資源についての負荷になります。
そのためCASBEEは大きいほど良いということになります。

3、屋根面であれば有効な面積も広く、汚染される可能性も少なくなります。
そのため屋根面は雨水の集水場所として適しています。

4、電圧を高くするほど、電流は小さくなり、電線も細くなります。
そのため電力損失も小さくなります。

5、成績係数(COP)は、冷凍機などの稼働効率を表すものです。
そのため成績係数は大きいほど良いので、成績係数の小さい機器は不適となります。

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03

 空気調和設備は、中央管理方式と個別空調方式に分類されます。個別空調方式は、室内ユニットと熱源ユニットを一体化もしくは冷媒配管で接続したもので、パッケージ方式ともいいます。
 パッケージ方式の一種「空気熱源マルチパッケージ型空調機」は、いわゆるビル用マルチエアコンのことで、一台の熱源ユニット(室外機)に対し、複数の室内ユニット(室内機)を有するものです。

 また、成績係数(COP)は、消費電力1Kwあたりの冷却・加熱能力を表した値で、COPが大きいほど効率が良く、省エネ性能が高いということになります。しかし、COPは外気温による空調能力の変化や冷房・暖房の違いを的確に表すことは困難な面もあることから、2006年9月の省エネ法改正後は、より実態に沿った指標として、通年エネルギー消費効率(APF)表記が採用されることとなりました。

 COP、APFのどちらの場合においても、その数値が大きい方が省エネ性能は高いことから、設問5は不適当です。

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