二級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科3(建築構造) 問6

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

二級建築士試験 平成28年(2016年) 学科3(建築構造) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

図のような材の長さ及び材端の支持条件が異なる柱A、B、Cの弾性座屈荷重をそれぞれPA、PB、PCとしたとき、それらの大小関係として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、全ての柱の材質及び断面形状は同じものとする。
問題文の画像
  • PA > PB > PC
  • PA > PC > PB
  • PA = PB > PC
  • PB > PA > PC
  • PC > PA = PB

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

弾性座屈荷重は「座屈長さが大きいほど小さく」なります。

設問ではPA、PB、PCの大小関係のみが必要なので、
柱A、B、Cの座屈長さLkを求めて、大きさを比較すれば
PA、PB、PCの大小関係を求めることができます。

・柱A
「水平移動拘束」「両端固定」なので、
座屈長さは[0.5×材長]
LkA = 0.5 × 3L = 1.5L

・柱B
「水平移動拘束」「両端ピン」なので、
座屈長さは[1.0×材長]
LkB = 1.0 × 1.5L =1.5L

・柱C
「一端自由」「他端固定」なので、
座屈長さは[2.0×材長]
LkC = 2.0 × 0.7L = 1.4L

したがって、座屈長さの大小関係は
LkA = LkB > LkC

座屈長さが大きいほど弾性座屈荷重は小さくなるので、
PC > PA = PB
となります。

したがって5番が正解です。

参考になった数13

02

正解 : 5

弾性座屈荷重Pkは、オイラーの座屈荷重の式により求めることができます。
Pk = π²EI/(ℓk)²
 E:ヤング係数
 I:座屈軸(弱軸)に関する断面二次モーメント
 ℓk:座屈長さ
 π:円周率 

問題の条件から、材質が全て同じであるからヤング係数は同じで、また、断面形状もすべて同じであるから断面二次モーメントも同じであるといえます。
よって、π・E・I を1と仮定します。
P = 1 /(ℓk)²

(A)両端固定の場合の座屈長さ ℓk=0.5ℓより、
ℓk=0.5×3ℓ=1.5ℓ
PA = 1/(1.5ℓ)² ≒ 0.44

(B)両端ピンの場合の座屈長さ ℓk=ℓより、
ℓk=1.5ℓ
PB = 1/(1.5ℓ)² ≒ 0.44

(C)1端自由他端固定の場合の座屈長さ ℓk=2ℓ
ℓk=2×0.7ℓ=1.4ℓ
PC = 1/(1.4ℓ)² ≒ 0.51

よって PC > PA = PB

参考になった数5

03

弾性座屈荷重 P = πEI/(ℓk)²

π=円周率
E=ヤング係数
I=断面二次モーメント
ℓk=座屈長さ

問題文中で「全ての柱の材質および断面形状は同じものとする」
と断ってあるので、π・E・I については1とすると

P = 1 /(ℓK)²

となり、弾性座屈荷重は座屈長さの二乗に反比例することが
分かります。

A) 両端固定の座屈係数は 0.5、座屈長さ = 0.5 × 3 ℓ
 PA = 1/(1.5ℓ)² ≒ 1.44

B) 両端ピンの場合の座屈係数は 1、座屈長さ = 1 × 1.5 ℓ
 PB = 1/(1.5ℓ)² ≒ 1.44

C) 片持ちの場合の座屈係数は 2、座屈長さ = 2 × 0.7 ℓ
 PC = 1/(1.4ℓ)² ≒ 0.51

よって PC > PA = PB

参考になった数2