二級建築士の過去問
平成29年（2017年）
学科3（建築構造） 問8

正解は３です。

1 . 建築物の地上部分の地震力は、多雪区域に指定された区域外においては、建築物の各部分の高さに応じて、当該高さの部分が支える固定荷重と積載荷重との和に、当該高さにおける地震層せん断力係数Ciを乗じて計算します。
正しい記述です。

2 . 地震層せん断力係数Ci＝Z・Rt・Ai・Coより、地上部分の各階における地震層せん断力係数Ciは、上階になるほど大きくなります。
正しい記述です。

3 . 地盤が著しく軟弱な区域として指定された区域内における木造の建築物の標準せん断力係数Coは、0.3以上としなければなりません。
誤った記述です。

4 .振動特性係数Rtは、建築物の設計用一次固有周期が長くなるほど小さくなります。
正しい記述です。

5 .地震地域係数Zは、地域による地震力の低減係数であり、過去の震害の程度及び地震活動の状況などに応じて、1.0から0.7までの範囲で定められています。
正しい記述です。

正解は3です

1.令第88条1項より、建築物の地上部分の地震力は当該高さの部分が支える部分に作用する全体の地震力として計算するものとし、当該部分の固定荷重と積載荷重との和に地震層せん断力係数を乗じて計算しなければならないので、正しい記述となります。

2.地震層せん断力係数は　Ci＝Z×Rt×Ai×Co　によって計算されるもので、Aiは建築物の高さ方向の分布係数で地上部分最下層では　Ai＝1　で上階になるほど、また、固有周期Tが長いほど、大きな値となるので、正しい記述となります。

3.令第88条2項より、標準せん断力係数は、0.2以上としなければなりません。ただし、地盤が著しく軟弱な区域として指定する区域内における木造の建築物にあっては0.3以上としなければならない為、誤った記述となります。

4.振動特性係数Rtは、一般に、建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほど、硬質な地盤ほど小さくなる為、正しい記述となります。

5.地震地域係数Zは、その地方における過去の地震における震害の程度及び地震活動の状況その他地震の性状に応じて、各地域ごとに1.0から0.7までの範囲内において国土交通大臣が定めているので、正しい記述となります。

正解は3です。

1、地上部分の地震力は、(固定荷重＋積載荷重)×地震層せん断力係数Ciで求められます。
したがって正しい記述となります。

2、地震層せん断力係数Ci＝Z・Rt・Ai・Coで表されています。
その中のAiは高さ方向の分布係数といい上階になるほど数値が大きくなります。
そのため上階になるほど地震層せん断力係数Ciは大きくなります。
したがって正しい記述となります。

3、地盤が著しく軟弱な区域として指定された区域内における木造の建築物の標準せん断力係数COは、0.3以上としなければなりません。
 したがって誤りの記述となります。

4、振動特性係数Rtは、建築物の設計用一次固有周期が長くなるほど小さくなります。
これは周期が長い(揺れにくい)ものは、地震によるせん断力が小さいということを表しています。
したがって正しい記述となります。

5、地震地域係数Zは、地域によって0.7~1.0で定められています。
したがって正しい記述となります。