二級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科1(建築計画) 問4

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 学科1(建築計画) 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

<改題>
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令の改正(令和4年4月1日施行)により、一酸化炭素の含有率の基準値について、要件の変更がありました。これに伴い元となる設問文を一部改題し、現行法に沿う形に修正しました。

<参考>

  • 居室の必要換気量は、一般に、居室内の二酸化炭素濃度の許容値を基準にして算出する。
  • 開放型燃焼器具に対する必要換気量は、一般に、燃料消費量に対する理論廃ガス量の40倍である。
  • 2階建ての住宅において、屋内の温度よりも外気温が低い場合、下階には外気が入ってくる力が生じ、上階には屋内の空気が出ていく力が生じる。
  • 第2種機械換気方式は、室内を負圧に維持することにより、周辺諸室への汚染空気の流出を防ぐものである。
  • 居室内の一酸化炭素濃度の許容値は、一般に、0.0006 %(6 ppm)である。

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この過去問の解説 (2件)

01

以下に解説します。

選択肢1. 居室の必要換気量は、一般に、居室内の二酸化炭素濃度の許容値を基準にして算出する。

正しいです。
必要換気量(㎥/h)= CO₂発生量 / (室内のCO₂許容濃度 - 外気のCO₂濃度)
となります。また、成人一人あたりの必要換気量は30㎥/hです。

選択肢2. 開放型燃焼器具に対する必要換気量は、一般に、燃料消費量に対する理論廃ガス量の40倍である。

正しいです。
理論排ガス量とは、理論空気量(燃料を完全に燃焼させるために必要な最低の空気量)で完全燃焼した場合の燃焼排ガス量のことです。
開放型燃焼器具の燃焼時に必要な換気量は理論排ガス量の40倍以上が必要です。

選択肢3. 2階建ての住宅において、屋内の温度よりも外気温が低い場合、下階には外気が入ってくる力が生じ、上階には屋内の空気が出ていく力が生じる。

正しいです。
屋内の温度よりも外気温が低い場合(暖房時)には、上階(2階)から室内空気が流出し、下階(1階)から室外空気が流入します。
冷房時は逆に、上階(2階)から室外空気が流入し、下階(1階)から室内空気が流出します。
これを重力換気と言います。

選択肢4. 第2種機械換気方式は、室内を負圧に維持することにより、周辺諸室への汚染空気の流出を防ぐものである。

誤りです。
記述は第3種機械換気方式についての説明です。
第2種機械換気方式とは、室内を正圧とすることで新鮮な空気を室内に取り入れる方式です。

選択肢5.

居室内の一酸化炭素濃度の許容値は、一般に、0.0006 %(6 ppm)である。

正しいです。
一酸化炭素濃度の許容値は、0.0006%(6ppm)以下となります。
また、空気汚染の一般的な指標とされる二酸化炭素濃度の許容値は、0.1 %(1000 ppm)以下です。

 

(※ 出題当時は10ppmでしたが、法改正により2024年現在は6ppmに変更となりました。)

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02

1. 記述は正しいです
 居室の必要換気量は、以下の式で表されます。
  [必要換気量]=[汚染物質発生量]/([室内汚染濃度]-[大気中の汚染濃度])
居室の場合は汚染濃度は二酸化炭素の数値を用いて算定します。

2. 記述は正しいです
 昭45告1826号に関連します。
ガスコンロや開放型暖房器具などの換気量は、理論排ガス量の40倍と規定されています。

3. 記述は正しいです
 自然換気(重力換気)の場合、空気の温度差によって生じる気圧差で換気をする方式です。
外気温が低ければ床付近から給気し、室内の暖まった空気を天井付近で排気をすることで、空気の入れ替えをします。

4. 記述は誤りです
 排気側を機械換気し室内を負圧にする方式は「第三種」機械換気にあたります。
代表的な居室として、病院の陰圧室などが該当します。
なお、第二種機械換気方式は、給気側を機械換気する正圧換気になります。

5. 記述は正しいです
 このほかに、
 二酸化炭素許容濃度……0.10%(1,000ppm)
 浮遊粉じん    ……0.15㎎/㎥
などはセットで覚えておきましょう。

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